佐々岡カープ勝ちきれず…逆転も痛恨ドロー マツダ6連戦で1勝「申し訳ない」

 「広島3-3ヤクルト」(19日、マツダスタジアム)

 土壇場で勝ち切れず、痛恨のドローに終わった。広島は3-2と1点リードの九回、ヤクルトに追いつかれ、今季2度目の引き分け。九回は菊池保則投手(30)が同点とされ、延長十回には打線がサヨナラの好機を逃すなど、フラストレーションがたまる一戦となってしまった。21日からチームは6試合の遠征に出る。立て直しを図って本拠地に戻ってくる。

 描いた青写真は、ゴールテープ目前でかき消された。勝利まであとアウト三つ。本拠地マツダスタジアムのスタンドからは、勝利を信じたファンからの悲鳴とため息で充満した。今季2度目の引き分け。勝ち試合を落とした佐々岡監督は「あそこ(九回)で逃げ切って、というところだったけどね」と苦虫をかみつぶした。

 3-2と1点リードの九回、マウンドには5番手で菊池保が上がったが、待ち受けていたのは悪夢だった。代打・坂口にカウント2-2から中前打を浴び、先頭打者を出塁させてしまった。犠打で1死二塁とされ、1番・上田に左前打。燕打線に土壇場で息を吹き返された。

 ここで代打・青木を迎えた。2球で追い込んだが、簡単には終わらせてくれない、カウント1-2から145キロ直球を捉えられた打球はライナーで遊撃・田中広の頭を越えた。痛恨の同点適時打。坂口、青木はこの日スタメンを外れて“二枚落ち”の相手打線だったが、最後の最後でカープにとっては痛手になってしまった。

 菊池保は、10日の中日戦(ナゴヤドーム)でも2-1の九回に登板し、同点の犠飛を許していた。佐々岡監督は「僕が信用して(菊池保を)出したということ」と、ここまで1セーブでクローザーが本業ではない右腕の肩を持った。今後は「そう簡単に(抑えは)代えられない」と配置転換は否定した。

 延長十回は、6番手のDJ・ジョンソンが2死満塁とピンチを迎えたが、上田を空振り三振に斬って何とかしのいだ。その裏、打線はヤクルトの守護神・石山を攻め立て1死一、二塁と好機をつくったが無得点。チームは14日から巨人、ヤクルトと本拠地で6連戦を戦い、1勝4敗1分けと大きく負け越した。

 マツダスタジアムでの有観客試合は14日が初戦だったが、地元の鯉党の前では1度しか白星を挙げられなかった。指揮官は「地元で一つしか勝つことができなかった。申し訳ない」と唇をかんだ。

 21日からは甲子園、横浜スタジアムと遠征が続く。「立て直して。一つずつ自分たちの野球をやっていくだけです」と言葉を絞り出した佐々岡監督。セ・リーグで唯一、2点差以内での勝利がない。早急に救援陣を整備し、現状を打破しない限り、チームの浮上は難しい。

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