広島・松山、いきなり2安打1打点 お帰り!今季初スタメン、初打席で初H

 「中日6-1広島」(27日、ナゴヤドーム)

 頼れる男が帰ってきた!広島は中日に敗れ、引き分けを挟んだ連勝は2で止まった。敗戦の中の光明は「5番・一塁」で今季初めてスタメン出場した松山竜平外野手(34)だ。適時打を含む2安打で、いきなり存在感を見せつけた。コンディション不良で開幕1軍を逃したが、前日26日に今季初昇格。自慢のバットで首脳陣の期待に応え、赤ヘル打線に厚みをもたらす。

 遠回りした分、チームに得点をもたらした一打には重みがあった。松山は一塁ベース上で軽くうなずきながら、バッティンググローブを外した。ツートンカラーのバットに思いを込め、奏でた快音。ひたむきに前を向いて過ごせば、グラウンドが迎えてくれる。そのことを今季初スタメンで証明してみせた。

 まずは二回の今季初打席。1死無走者で吉見の4球目を打った球は遊撃へ飛んだ。好捕した京田からの送球よりも間一髪、松山の足が先に一塁ベースに触れた。リプレー検証後もセーフの判定は変わらず、今季初安打を全力疾走でもぎ取った。

 状態は「もう大丈夫です」ときっぱり。「張りとかは出るんですが、そんなことは言ってられない。(1軍に)上がってきたからには、やるだけ」と強い覚悟をにじませる。

 3点を追う四回は2死三塁の得点機。1ボールからの2球目を鋭く捉えると、打球はきれいに右前で弾んだ。反撃の適時打に「ああいう場面で打たないといけないと思っている。打点を挙げられたのは良かった」とうなずいた。開幕から26日まで全試合5番だったメヒアは今季、まだ得点圏打率0割。それだけに、松山が5番で機能すればチームを助けることにもなる。朝山打撃コーチも「いきなりヒット2本はさすが」と目尻を下げた。

 5月25日から1軍を離れ、リハビリに励んだ。順調な回復で2軍戦にも出場し、状態を整えて前日26日に1軍昇格。開幕1軍を果たせず「みんな調子が良かったし、早くしないと居場所もなくなってしまうと思っていた。早く(1軍に)上がって結果を出したいと思っていた」と口にした。

 心のどこかにあった危機感、焦りと戦ってきた。1軍の試合で打つこと、好機で走者をかえすことで自身の存在価値が高まる。「一番はそこです。自分としても大事にしているところ」と打点へのこだわりは強い。バットマンとしてのプライドを胸に、次戦からも真剣勝負の空間に身を投じていく。

 約1週間遅れの“開幕”で好スタートを切った男は「タイミングも取れているし、ボールも見えていたと思う。期待に応えられるよう頑張っていきたい」と気を引き締めた。頼もしく心強い背番号55が、バットでチームを勝利に導いていく。

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