広島・龍馬5番 松山不調で浮上…朝山コーチ「3割近く残せると信頼」

 広島の西川龍馬内野手(25)が29日からの紅白戦と6月2日からの練習試合に5番で起用されるプランがあることが27日、分かった。当初は3番での起用が有力視されていたが、5番候補だった松山がコンディション不良のため、現在は3軍調整中。4番・鈴木誠の後に勝負強い打者を置きたいとの狙いから「5番・西川」が試される。

 打席で示す存在感が頼もしい。打線の浮沈を握る5番打者。その重要な打順を任せられるだけの器量が、西川にはある。朝山打撃コーチは「(打率)3割近く残せると、信頼している」と高い期待を寄せる。5番の筆頭候補だった松山はコンディション不良で25日から3軍調整中。松山がいる前提で開幕オーダーを算段することは現実的に難しくなった。

 そこで浮上したのがチーム屈指の好打者、西川を5番に据えるプランだ。鯉打線は4番・鈴木誠の前後を打つ打者が鍵を握ることは言うまでもない。打率、出塁率で計算できる西川が3番に入り、主砲がかえすという攻撃パターンなら、一定の得点力は期待できる。

 しかし、朝山コーチが話すように、好機で鈴木誠を迎えれば相手バッテリーは勝負を避け、次の打者で勝負する可能性が高い。そこで5番が凡退すれば得点は奪えない。打線の切れ目となり、相手に試合の流れを渡すことにもつながる。だからこそ昨季、打率・297、16本塁打と確実性、長打力ともに秀でた西川が5番なら、打線が機能する確率が高くなるというわけだ。

 そうなれば、3番には新助っ人のピレラが入る構想もある。「走力があるし、スピードがすごいモノがある」と同コーチ。ピレラが出塁し、次打者の鈴木誠の安打で一気に本塁生還という速攻劇での得点も考えられる。

 西川はこの日、シート打撃で守護神候補の一人、DJ・ジョンソンの初球を捉えて右越え本塁打を放った。「一発で仕留められたのは良かった。開幕しても、あまり違和感なく入れるかな。あとはナイターになって、真っすぐがどう見えるかぐらいじゃないですかね」。至極順調な調整を重ねているからこそ、西川の言葉は自信に満ちあふれていた。

 最近はともに自主トレを行う関係の日本ハム・近藤と連絡を取り合い、互いの打撃フォームについて意見交換も行っているという。求めてきた力強さにも手応えを示し、6月19日の開幕を「だいぶ楽しみですよ」と心待ちにする西川。背番号63の著しい成長が、赤ヘル打線に厚みを加える。

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