広島、バティスタを解雇 ドーピング違反で断!薬物摂取故意か否か…明確にならず

 広島は2日、ドーピング違反で出場停止処分を受けていたサビエル・バティスタ外野手(28)との契約を解除したことを発表した。昨年6月のドーピング検査で陽性反応を示したことが8月17日に発表され、同年9月から6カ月の出場停止処分を日本野球機構(NPB)から科されていた。球団は本人の禁止薬物摂取が故意か否かの調査を続けたが、それが明確にならなかった点が契約解除最大の理由だと説明した。

 球団のシビアな処置がバティスタに下された。17年から結んだ6年契約の契約満了を待たずしての契約解除。出場停止期間最終日だったこの日、自由契約選手として公示された。鈴木清明球団本部長は「契約の継続をやめようと。原因を突き止められなかった」と契約解除に至った理由を説明した。

 球団はバティスタの母国・ドミニカ共和国にトレーナーを派遣して調査。しかし本人の禁止薬物摂取が意図的であったかどうかを確認できず、今回の判断を下した。「『故意でない』と言えないし、総合的に判断して」と同本部長。摂取の経緯が不透明な状態であることが、球団の判断を裏付ける最大の理由となった。

 契約解除は日本時間2月27日付で行われ、本人にその旨を伝えた際には動揺もあったという。摂取が故意であるか否かに加えて、バティスタ本人のモチベーションも球団の判断材料となった。

 ドミニカ共和国でのウインターリーグでは不振続き。球団は遠く離れた地からでも、本人の意欲をくみ取ろうとした側面もあった。だが松田元オーナーは「本人がどれだけ一生懸命やるか、遠くから見ていたけど…」と、結局その意欲が伝わらなかったことも契約解除の一因と説明した。

 昨季は103試合で打率・269、26本塁打、64打点。だがチームはバティスタの長打力よりも、キャンプから台頭を続ける若手選手の成長に期待した。

 佐々岡監督は「球団の方針に従うだけです」とした上で「戦力的にはキャンプを通して堂林、安部、ピレラが好調を維持してくれている。松山も含めて、いるメンバーで戦っていきたい」と話した。

 指揮官と同じく、松田オーナーも「伸びている若手の間口を広げる方がいいんじゃないかと。監督も変わったばかりだし、勝ちたいから」と今回の事態に関しての考え方を示した。

 カープアカデミー出身で、球団に愛着ある助っ人への“解雇通告”。だが、しかるべき措置の裏には勝つための将来的なチームビジョンがあったと言える。

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