広島からドラフト１位指名された森下暢仁投手（２２）＝明大＝が２８日、大学最終戦となる可能性が高い２９日の東京六大学秋季リーグ・立大戦を勝利で締め、プロへ進む決意を示した。出場機会がなかったこの日の同３回戦に敗れ、１勝１敗１分け。登板意欲を見せる４回戦は笑って終わり、プロでは広島残留を表明した大学の先輩・野村にプロの心得を学んでいく。

　主将として、大学最後の一戦への思いを言葉に変えた。立大３回戦に敗れた後のロッカールーム前。森下は２９日の４回戦へ「自分自身もそうですし、みんな負けて終わりたいとは思わない。勝つようにやりたい」と端正なマスクを引き締めた。

　２６日の１回戦に先発した右腕。前日２７日とこの日は試合中にブルペン入りしたものの、登板はなかった。今秋は６試合で計７７９球を投じていることから、善波監督は２９日の登板にも慎重な姿勢を見せる。森下本人は「投げたい。試合に出たくて仕方ないです」と主張。チームは春秋連覇こそ逃したが、最後の最後まで貢献する意欲は十分だ。

　気持ち良く大学野球を締め、広島では明大の先輩に教えを請う。２６日に野村が国内ＦＡ権を行使せず、残留を表明。「勉強をたくさんさせてもらいたい。まだ野村さんと会って話したことがないので、プロはどういう世界か聞きたい」。プロ８年間で７１勝を挙げている右腕から勝ち方、イニングの入り方などを学びたい思いは強い。

　もちろん、今はプロでの青写真を描くより、目の前の戦いに集中する。「もう一回、気を引き締めてやらないといけない。自分たちも次につながるように、後輩たちも来年につなげられる終わり方ができればいいと思います」。大学４年間の集大成となる一戦で、その言葉を形にしてみせる。