カープ大瀬良 今季2度目“歓封” 初の無四球で…志願の124球で8勝目 巨人と3差

 「広島7-0阪神」(2日、マツダスタジアム)

 広島の大瀬良大地投手(28)が5安打無四球と好投し、今季2度目の完封で8勝目を手にした。阪神戦は今季4度目の登板で初勝利。内角を見せ球にして、外で勝負する組み立て。さらにフォークを効果的に織り交ぜ、的を絞らせなかった。この日で今季100試合目を消化したチームは3連勝。首位・巨人が敗れたため、ゲーム差は3に縮まった。

 本拠地のマウンドに大瀬良は立ち続けた。八回を終え、球数は110球に達していた。ベンチで佐々岡投手コーチから声を掛けられる。「行かせてください」。自分史を塗り替える自身2度目の完封勝利は、志願してつかみ取ったものだ。

 「ここ数試合は中継ぎに迷惑を掛けていた。きょうは移動試合でもあった。きついけど、最後まで投げ切るのが先発としての理想。ホッとしています」。大粒の汗を顔いっぱいに浮かべて、言葉を紡いだ。

 本調子ではなかった。軸となる直球やカットボールの手応えはよくなく、我慢の投球が続いた。光を見いだしたのが、フォークだった。この日は空振りを取れるように鋭く落ちたわけではない。それでも打者に的を絞らせなくするためには、十分な効果があった。

 2-0の四回1死一、二塁、福留を迎えた場面では外角フォークで中飛に打ち取った。6月28日・DeNA戦ではシュートを解禁したが、体が開いて直球もシュート回転したことで、わずか1試合で再び封印することを決めた。使える球種が多ければ投球の幅は広がる。「何かこう、一つ道をつくれたかな」。新たな武器を手にした瞬間だった。

 体がけいれんしやすい体質。過去には試合中に足がつり、交代を強いられたこともある。夏場は特にコンディションの管理に余念がない。試合中は汗で失われた水分を補うため、数種類のサプリメントを自らが調合した「秘密のドリンク」を口にする。この日は用意していた量では足りず、試合中に急きょ作って飲み干した。「4リットルくらいかな」。パワーを補給して投げ抜いた124球だった。

 無四球での完封も自身初。大きな存在感を示してみせた、8月最初のホームゲームだった。「しっかり準備をして、次も抑えられるように頑張りたい」と前を見据える。巨人追走ムードに、さらに大きな火を付けた。「きょうは大地(大瀬良)。エースの投球に尽きる」。緒方監督の言葉が、チーム全員の思いだ。

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