ドラ1小園フェン直二塁打 ファームでじっくりが規定路線も首脳陣うれしい悲鳴
「オープン戦、西武1-6広島」(2日、みどりの森県営球場)
広島ドラフト1位・小園海斗内野手(18)=報徳学園=がプロ初の長打を記録した。4点リードの八回無死一塁で、西武の変則左腕・斉藤大の内角直球を捉え、右翼フェンス直撃二塁打とした。昨夏の甲子園で1試合3二塁打の大会タイ記録を樹立した“ミスターツーベース”が本領を発揮。これで対外試合3試合連続安打となった。
小園が新人離れした技術で、佐賀に集まった鯉党を魅了した。八回無死一塁、2ストライク1ボールからの4球目。左腕・斉藤大の外角球を頭に入れつつ、内角直球に反応した。完璧に捉えた打球は瞬く間に右翼フェンスに到達。柵越えまで約50センチ。もう少しで本塁打という当たりで、自身初の長打を記録した。
「内よりの真っすぐに対応できたので良かったです。打席に慣れてきた。これからも慣れていきたいです」
ミスターツーベースの本領発揮だ。昨夏の甲子園。聖光学院戦で1試合3二塁打の大会タイ記録を樹立した。同僚の西川が「飛ばすコツを知っている」と舌を巻くように、スーパールーキーは一発長打の魅力も備えている。
キャンプを完走し、プロの水にも慣れつつある。対外試合初安打まで12打席を要したが、2月24日・DeNAとのオープン戦(宜野湾)で山崎から左翼線へ「H」マークをともすと、同25日・楽天との練習試合(コザ)でも福山から中前打。全方向に打ち分け、これで3試合連続安打を記録。オープン戦に限れば、驚異の打率5割となった。
無我夢中で1年目を駆け抜けている。今回が初めての遠征。前日はマツダスタジアムでの練習後に佐賀入りしたが、「ご飯を食べて、すぐに寝ました。あっ、コンビニには行きました」とにっこり。試合前練習でも打撃前にヘルメットをうっかりベンチに忘れてしまうほど。初々しさ全開で試合に臨んでいた。
ルーキーの異次元の活躍に、首脳陣も目を細める。東出打撃コーチが「いいんじゃないかな。恐れずやっている。どんどん振って課題を消化してほしい」と言えば、高ヘッドコーチは「何度も言うけど、高校生とは思えないね」と感嘆の声。今季はファームでじっくりと鍛えるのが既定路線だが、同ヘッドは「こういうのを見せてくれるとね。(3月の)最後の方まであるかもしれない」とうれしい悲鳴を上げた。
首脳陣の構想をよそに、小園は開幕1軍だけを見据えている。遠征前にも「そこは絶対に狙って。厳しいかもしれないけど、ぶれることなく前進していきたい」と話していた。オープン戦が本格化する3月も、背番号51が主役を張りそうだ。