広島・ドラ1小園の長所は非凡なミート力 デイリースポーツ評論家・池山氏が徹底分析

 広島のドラフト1位・小園海斗内野手(18)=報徳学園=の評価が、日を追うごとに高まっている。このスーパールーキーを、デイリースポーツ評論家・池山隆寛氏が徹底分析。ヤクルトで現役通算304本塁打、指導者としてもヤクルト、楽天で多くの打者を育てた同氏が、小園の長所、短所を鋭く指摘した。

  ◇    ◇

 楽しみな新人が入ってきましたね。評価の高さも届いてきています。

 早速、写真を見ながら解説しますが、いきなり弱点から入ります。写真(1)~(3)のあたり、動画でなければ分かりづらいのですが、小園はグリップの上げ下げ、つまり手を使ってタイミングを取ろうとしています。

 例えば阪神・福留もこの傾向がありますが、彼は別格。バッティングで一番大切なのはタイミングであり、通常であれば、手を使う方法は、特に速球が来た際に合いづらくなります。どうしても遅れ気味となるので、間に合わせようとして動作全体が小さくなるんです。

 理想はマリナーズ・イチローのように上半身はゆったり構え、足でタイミングを取ること。

 その結果、写真(4)で上半身がトップにまだ到達しておらず、(5)になって到達、ここから振りに入っていきます。足が下りようとしているのに、まだ手の位置がトップにない状態です。

 そうなると、150キロの速球には間に合わない、したがってバッティングを小さくせざるを得ない、始動が必要以上に早まる、などのリスクが出てくるんです。

 ただし、今、タイミングをいじることはしない方がいいですね。今は強打者となったヤクルト・山田哲も入団から2年くらいはプロのボールにまるで手が出なかった。プロの壁に当たってから、それを乗り越える作業に入っても遅くないと思います。

 何しろ、非凡なものを持っている。“ツボ”は内角低めかな。リストの柔らかさを生かして、右方向に強い打球を打てる。写真(6)、(7)でほとんど頭が動いていないところも素晴らしい。これはミート力の高さを感じさせます。

 写真の捕手の動きを見ると、逆球が小園の得意な内角に来たようですが、その“ツボ”に来たときにも力むことなく、柔らかくバットを出せています=写真(8)。もともと引っ張れるバッター。じっくり経験を重ねて、速球への対処を身につけることができれば相当な強打者に育つんじゃないでしょうか。

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