野村、故郷からの再出発 拠点は実家、弟が練習パートナー&母が食事サポート

 広島・野村祐輔投手(29)が22日、地元の岡山県倉敷市内で自主トレを公開した。昨年まで母校・明大グラウンドで練習を行ってきたが今年は心機一転。年末から実家に練習拠点を移し、実弟の航平さん(24)ら家族のサポートを受けて復活を期している。開幕投手を務めた昨季は20試合の登板で7勝6敗、防御率4・22。自主トレでは理想のボールを追い求め、昨季・324と低迷した得点圏被打率の改善を目標に掲げた。

 糸を引くような球が弟・航平さんのミットを鳴らす。15年ぶりという兄弟キャッチボールの締めは本番さながらの本格投球だ。「痛っ!」と顔をしかめる航平さんを見て、野村は「わざとだと思います」と“兄弟愛”に笑顔を見せた。

 「地元ということでやりやすい。心も新たに、いいトレーニングができています」

 倉敷は年末の帰省から「ずっと実家にいます」と笑うほど居心地がいい。グラウンドも実家から車で約5分の距離だ。昨季限りで現役引退した新井はカープの強さを「家族一丸」と表現したが、野村は中学以来の実家暮らしで充実の日々を送っている。

 家族で囲むテーブルには色とりどりの小鉢が並ぶ。栄養士が作成したメニューを母親が忠実に再現。「バランスのいい料理を作ってくれるのでありがたいです。普段、広島で1人暮らしなので」。偏りがちな食生活も、懐かしのおふくろの味で改善できたようだ。

 弟・航平さんは週末の練習パートナーだ。自宅がある福岡県から駆けつけ、ブルペン投球では捕手も務める。かつてプロを夢見て広陵から東海大へ進んだ航平さんは「けた違いでした。ケガなく1年間ローテを守って、4連覇を目指して頑張ってほしいです」と尊敬のまなざしを向けた。

 家族の期待に応えるため、野村は捲土(けんど)重来を期している。昨季は開幕投手を務めながらまさかの7勝どまり。自主トレではリリースの瞬間に、指先へ最大限の力を伝えるための「タイミング」を模索中だ。昨季の得点圏被打率・324の改善を目指し、「ピンチでいかに踏ん張れるかが大事だと思う」と理想の球を追い求めている。

 年明けには西日本豪雨の被害に見舞われた真備町を訪問。「映像でしか見られていなかったので。どこで被害に遭われたかを自分の目で確認しました。爪痕は残ってましたね…」と心を痛めた。グラブに桃太郎を刺しゅうするほど、地元愛は強い。「倉敷市出身なので、何か力になれることができればいいなと思います」。再出発の地に選んだ故郷と家族へ、恩返しは結果で示す。

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