加藤、来春1軍キャンプへ大前進 2度のシートで唯一無安打

 「広島秋季キャンプ」(18日、日南)

 広島・加藤拓也投手(23)が18日、日南秋季キャンプで今季最後の実戦形式となったシート打撃に登板し、1回無安打無失点と好投した。これまで苦しんだ制球難などの悪癖も解消に近づきつつあり、首脳陣の評価も上昇中。今季1軍登板ゼロに終わった2年前のドラフト1位は、来春キャンプの1軍スタートへ大きく前進した。

 日南の照りつける太陽の下、堂々とした顔つきで腕を振った。加藤が、12投手全員登板した今季最後の実戦形式で存在感を発揮した。「球が高めに抜けることが少なかったので、それ自体は良かった」と一定の手応えをにじませた。

 最速146キロの直球中心に攻め込んだ。まずは西川をフォークで二ゴロに打ち取ると、下水流は遊ゴロ。最後はメヒアを直球で遊ゴロに仕留めた。全9球、1回無安打無失点。「何とか結果とかそういう部分は、自分なりにちゃんとやってるのかなと思います」と2度のシート打撃で唯一無安打投球となった。

 今キャンプでは低めに投げ込む意識を徹底。体が開かないことや、突っ込みすぎないことを植え付けている。「練習から意識していることを実戦でやるのは変わらない。そこがリンクしないと、練習している意味がない」と言い切る。それでも「ストライク先行まではいかなかった」と反省も忘れなかった。

 佐々岡投手コーチも一定の評価を与える。「今までの力任せで高めに浮く球はほぼなかった。球を長く持つ、強く投げる。対打者でも見られたのは成長」と目を細めた。

 1年目の昨季はプロ初先発初勝利を挙げたが、今季は1軍登板なし。フォーム修正などを繰り返し「貢献できていないことに悔しさはもちろんある。ずっと試行錯誤している段階で苦しいというか、光が見えないまま過ごしていた」と率直な思いを吐露した。

 だが、そうしたことも10月頃から「なくなりつつある」ときっぱり。今キャンプのアピール成功で、2年ぶりの来春キャンプ1軍スタートにも大きく前進した。佐々岡コーチは「継続することがどこまでできるか。オフが大事になってくる」と求めた。

 大卒3年目の来季。加藤は「チームに少しでも貢献することが一番大きい部分」と決意を示した。今キャンプの収穫を糧に日々成長し、再び1軍のマウンドに立ってみせる。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

カープ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス