エルドレッド3連発でカープ貯金20 お立ち台での日本語にはダメ出し?

 「広島8-1中日」(1日、マツダスタジアム)

 広島のブラッド・エルドレッド内野手(36)が自慢のパワーをさく裂させた。球団史上6人目となる3打席連続本塁打を達成。21本塁打でリーグトップの中日・ゲレーロに並んだ。チームは昨季のペースを上回る、73試合目で貯金20の大台に到達。リーグ戦再開後2カード連続の勝ち越しも決めた。快勝発進の7月も勢いは止まりそうにない。

 大好きな夏が到来し、エルドレッドはパワー全開だ。ドッカーン!ドッカーン!!ドッカーン!!!最高気温31度のマツダスタジアムで、どでかい花火を3発も打ち上げた。

 「一打席一打席しっかり集中して、結果を残すことができたね。打てる球をしっかりアプローチできたよ」。チームに今季最多の貯金20をもたらした助っ人は自慢のブロンズヘアをなびかせ、満足顔を浮かべた。

 二回に先制の19号ソロを左翼席コンコースにぶち込むと、三回は20号2ランを左翼の防球ネットに突き刺した。ハイライトは五回。3本目も左翼席へ弾丸ライナーで運んだ。「振り過ぎず、振らなさ過ぎず、コンパクトに」が合言葉。21号で左翼を守っていた中日・ゲレーロに並び、リーグトップとなった。

 3打席連発は6月にマークした丸以来、球団史上6人目。外国人では90年・アレン、12年・ニックに続く3人目の快挙だ。実は自身2度目。02~04年のマイナーリーグ時代に記録したそうで「かなり前だけど、自分の誕生日だったから覚えているんだ」と懐かしそうに振り返った。

 ショータイムはお立ち台でも続いた。石井打撃コーチの指令を受けて、インタビュアーの質問にすべて日本語で対応。「できるか?と言われたから、トライすると言ったんだ」とエルドレッド。「ソウデスネ、レンシュウデ、シッカリ…」。懸命に片言の日本語を並べたが…。石井コーチは「もうちょっと話せると思ったけど」と苦笑い。それでもファンは大喜びだった。

 家族の存在がパワーの源だ。交流戦明けの休日は長女と自身の父親とママチャリで広島の街を疾走した。この日も愛妻と愛娘3人が球場で観戦。父の日には付けヒゲ姿で応援してくれたり、ダンスを踊ってくれたりする。その愛らしい娘たちの姿を見るだけで、パワーが沸々と湧き上がる。バットに感謝の思いを乗せた特大の3連発だった。

 「びっくりするよね。今年の成績は安定している。日本で対応しようと、いろんな勉強をしてきたことが成績に結びついているね」と緒方監督も驚きを隠せなかった。今月12日で37歳。ベテランの域に達し、パワーと安定感を兼ね備えた打撃が成熟の時を迎えている。

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