広島・九里2回完全!則本への入門実る

 「広島紅白戦、紅組2-3白組」(4日、日南・天福球場)

 広島・九里亜蓮投手(24)が、宮崎県日南市で行われている秋季キャンプの紅白戦に登板し、2回無安打無失点と好投した。10月のみやざきフェニックス・リーグ楽天戦で、則本昂大投手(24)に“弟子入り”を直談判。腕の振りを大きくするための助言を授かった。先発ローテ入りを目指す来季に向け、フォームを固めて結果を残し続ける。

 紅白戦の主役は九里だった。威風堂々とマウンドに立ち打者をねじ伏せた。「腕を振って投げられた。ブルペンでやっていることが打者相手でもできた」と表情を崩す。2回無安打無失点は、腕を強く振り抜けたからこそ生まれた結果だ。

 七回無死一塁の設定で始まった紅白戦。野間をツーシームで空振り三振に仕留めるなど好発進。無死二塁からの八回も丸、バティスタ、田中と3人で斬った。最速は138キロながら、手元で伸びる球で打者を圧倒し、打者5人を完全に抑えた。

 7試合の登板に終わった2年目。来季へ向け助言を求めたのは、楽天の則本だった。10月25日のみやざきフェニックス・リーグ、広島戦(天福)に先発した右腕に、登板後、ヒントをもらえないかと直談判したのだ。

 今季を振り返り「制球を意識し過ぎて、腕の振りが小さくなっていた」と自己分析。シーズン後、さまざまな投手の動画を見る中で、則本の大きな腕の振りに注目していた。

 面識はない。それでも一念発起し頭を下げた。「自分のリズムをブルペンから見つけていけば自然と腕は振れると言われた」。テンポ良く投げ込むのが持ち味だということを思い出した。力強いフォームが戻ってきた。

 ライバルに負けられないという強い思いも原動力になっている。同期入団の大瀬良は、2年連続で1軍で投げ続けた。「悔しい思いがある。来年は負けないように頑張りたい」。先発に強いこだわりがあり、来季は先発ローテ入りを目指す。「期待している」と畝投手コーチ。躍動感を取り戻した九里が、再び輝きを放つ。

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