【現役ドラフト解説】当初は戦力外相当のやりとり懸念→結果は環境改善で活躍期待を持てる移籍に

 出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させることで、新たな活躍の場を与えようと初めて導入された「現役ドラフト」が9日、非公開のオンラインで開催され、12球団各1人ずつの12選手が新たなチームに移籍することになった。手探りの中での開催となった第1回目。デイリースポーツの担当記者が、その意義と今後への課題を解説した。

  ◇  ◇

 今回、初めて実施された現役ドラフト。獲得された選手の名前を見る限り、懸念されていた戦力外相当の選手のやりとりでお茶を濁すようなことはなく、環境を変えれば活躍の期待感を持てる移籍になったのでは-というのが率直な感想だ。

 広島が獲得した巨人・戸根、西武が獲得した阪神・陽川らは1軍での経験も十分だが、現在のチームでは定位置をつかみきれていない選手。一方で巨人が獲得した楽天・オコエ、中日が獲得したDeNA・細川も高い能力を持つ若手選手だ。

 この結果を見る限りでは、各球団が自チームの選手に新たな環境を与え、また自チームの戦力となる選手を獲得することを考えて行われたように見える。

 現役ドラフト導入を求めてきた日本プロ野球選手会の森事務局長は「選手全員に連絡をしたら、みんなポジティブに捉えていたので開催できて良かった」と評価していた。

 課題はこれをどのように継続していくのか…だ。今回は1巡目で指名が終わり、ソフトバンク・三笠GMは「ちょっと保守的にいこうという戦術になったのが2巡目がなかったということでは」と話す。移籍の活性化をうたうならば、来年以降、より多くの選手が移籍する形が理想だ。

 支配下契約選手のリストアップは難しい作業だが、今ドラフトの“質”を維持しなければ、瞬く間に制度は形骸化するだろう。導入前以上にこの先こそ、制度改定を含めた選手会と球団側の議論と検証が必要になってくる。

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