オリックス・山本 通算50勝目「ただの通過点」24歳初星&完投で到達も次戦見据える
「西武3-4オリックス」(19日、ベルーナドーム)
今季最多の135球目。オリックス・山本由伸は最後の力を振り絞り、全力で腕を振った。148キロのフォークに外崎のバットが空を切る。「こうやって投げられるのは達成感もある」。九回を投げ切り、充実感に浸るように優しい笑みを浮かべた。
西武打線に終始、苦しめられた。初回は1死二塁から若月が振り逃げ阻止のための一塁送球を悪送球し、1死一、三塁に。続く山川に先制適時打を浴びた。2点リードの六回には3連打を許すなどして、同点とされた。
それでも、七回に若月が勝ち越し弾。「初回の送球ミスと二回も併殺を打っていたので、マジで打たないとやべえよと思いながら見ていました」。17日の誕生日で「アマゾンカード」のプレゼントをもらったが、2日遅れでさらに価値のある“贈り物”が届けられた。
24歳の初登板で後半戦初勝利&通算50勝目。ただ、山本の進化は止まらない。中嶋監督が「ただの通過点だと思う」と言えば、エースも「またここから、1勝1勝積み重ねていけたら」と、すでに次戦を見据えた。
中盤は投球フォームのバランスを何度も確認する姿があったが、試合が進むにつれて修正。「最後は感覚が何とかマシになっていた」と試合の中で微調整できるのが、すごさの一つでもある。
チームは3位浮上。首位・西武にも2・5ゲーム差に詰め寄った。「首位との3連戦なので、全員で絶対に勝ちたいと思います」。山本が大事なカード初戦を白星へ導いた。