甲子園騒然の明秀日立 石川-猪俣の執念6継投「遠山・葛西スペシャル」連想も惜敗で涙

力投する明秀日立・猪俣駿太(左)と石川ケニー
3回、仙台育英・秋元響を空振り三振に抑え、ほえる明秀日立・石川ケニー(撮影・伊藤笙子)
4回、ピンチを迎え、猪俣駿太(左)にマウンドを譲る明秀日立・石川ケニー(撮影・伊藤笙子)
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 「全国高校野球選手権・3回戦、仙台育英5-4明秀学園日立」(15日、甲子園球場)

 惜しくも敗れたが明秀学園日立(茨城)の執念継投に、甲子園球場では驚きの声が上がり、スタンドからは大きな拍手が送られた。

 先発は左腕で背番号9の石川ケニー(3年)。四回、1死一、三塁でエース右腕で右翼を守っていた猪俣駿太(3年)につなぐと五回、2死二塁のピンチで再び右翼から石川が登板。4番・齋藤陽(3年)を二ゴロに打ち取った。

 さらに六回、2死一、二塁で猪俣が登板。ここでも9番・森蔵人(3年)を中飛に抑えるなど、継投策がズバりハマった。

 だが、2点リードで迎えた七回だ。猪俣が無死満塁のピンチを招くと、再び右翼から石川が登板。ベンチは4番・齋藤に対して、徹底的にぶつける作戦を敷く。ここで空振り三振に斬ったが、続く尾形樹人(2年)に押し出し四球を与えた。

 さらに、続く右打者・遠藤太胡(3年)を迎えたところで、猪俣に継投。だが、ここも四球となり、2者連続の押し出し四球で同点とされた。さらに続く岩崎生弥(3年)に中犠飛を打たれ、痛恨の逆転負けを喫した。

 かつて「遠山・葛西スペシャル」として、野村克也氏が阪神監督時代に繰り出した必殺リレーを連想させる継投。相手打者の左右によって、左サイドスローの遠山昭治と右サイドスローの葛西稔(現スカウト)が交互にリリーフする戦法で、どちらかが登板している間、もう片方は一塁へ回る。

 代表的な試合は2000年5月21日・横浜戦(横浜)。1点リードの九回、八回途中に登板していた遠山が一塁へ回り葛西が登板。先頭打者との対戦後、再び遠山がマウンドに登るなど遠山-葛西-遠山-葛西のリレーで完封勝利した。

 甲子園では2018年の100回大会で、1回戦の中越(新潟)-慶応(神奈川)で、中越が山本-山田の6継投がある。

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