有田工・山口洸 1打席内で右→左左→右 聖地でも貫いた“究極のくせ者”

 初球は右打席に立った山口洸生
 審判の後ろを通る山口洸生
 2球目は左打席へ入った山口洸生
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 「全国高校野球選手権・2回戦、浜田5-3有田工」(13日、甲子園球場)

 “究極のくせ者”が聖地でも自分を貫いた。両打ちの有田工(佐賀)山口洸生内野手(3年)は1打席内で左右を入れ替え、相手投手を揺さぶる。四回1死の第2打席、1球目に右打席に立つと、2、3球目は左打席。4球目は再び右打席に入り、最後は7球目を打って遊ゴロに倒れた。

 「最初は1球ごとに打席を変えて、出塁をしようと思ったんですけど、審判さんに『1球ごとはやめてくれ』とか『この場面で見せることではない』と」。山口洸はそう舞台裏を明かした。公認野球規則では投手が投球姿勢に入った際や、バッテリーがサイン交換している時に打者が打席を変更すると反則行為でアウトになるが、1球ごとに打席を変えること自体は問題ない。

 元々は右打者で、高校では打力に悩んでいた。転機が訪れたのは2年秋。梅崎信司監督(43)から「左打ちしてみないか」と打診があった。足の速さには自信があり、挑戦を決意。3月に両打ちデビューを果たし、センバツでも披露していた。

 今夏の佐賀大会では、自身のスタイルが全国の野球ファンから注目を浴びた。中には「高校生らしくない」と批判もあったという。

 それでも自分を曲げなかった。「アンチがいても、チームのためなら何度でもやろう」。その思いは勝利という形で報われなかったが「持ち味の打席を変えることができて良かったです」と山口洸は胸を張った。

 ◆山口洸生(やまぐち・こうせい)2005年3月11日生まれ、17歳。佐賀県出身。165センチ、70キロ。右投げ両打ち。内野手。小学4年時に「武雄町スポーツ少年団」で野球を始め、中学では武雄中の軟式野球部に所属。有田工では2年秋からベンチ入り。

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