劇的復活を遂げた巨人・中田 きっかけとなった長嶋氏の指導「7、8月で打撃が変わった」内田順三氏の解説

 巨人・中田翔内野手が好調だ。7月、8月はともに月間打率・370を超え、11日の中日戦ではついに不振の岡本和真内野手に代わって4番を託された。開幕後は2軍降格も味わいながら、復活を遂げた要因はどこにあるのか。巨人や広島で数々の強打者育成に尽力した内田順三氏(デイリースポーツウエブ評論家)に聞いた。

 ◇ ◇

 7月、8月になりバッティングが変わったよね。それまではマン振りでホームラン狙いでいたのが、若いカウントでは強いスイングをしているものの、追い込まれると宮本や井端かと思わせるようなセンター中心の打撃をしている。構えの際、打席でのルーティンで2度、3度と外の球に合わせるようにバットを内から出す動作を繰り返しているが、あのイメージ通りに打撃ができているよね。

 6月に2軍降格した時、長嶋さんに指導してもらって、いいヒントをもらったんじゃないかな。最近はバットのグリップに小指を引っかけたり遊ばせたりさせて遠心力で振り抜く打者が多いが、長嶋さんも王さんも野村克也さんもバットを短く持つ時もあった。巨人で言えば阿部や坂本も短く持つでしょう。

 中田も今、少し短く持ち、バットの形状も工夫しているようにも見える。腕を柔らかくすることでバットコントロールも良くなり、軽打するようになったことで打率も上がり、得点圏でも走者を返す打撃ができている。追い込まれたら一生懸命、カット打ちのようにして粘りも出ている。もともと、パ・リーグの打点王を取っていた選手だから、こういうしぶとく勝負強い打撃もできるよね。長嶋さんから指導されると受け入れやすい。「よし、やってみよう」となったんじゃないか。

 10日の中日戦では九回にR・マルティネスから決勝本塁打も打った。追い込まれてからのインサイド寄りのカットで、相手の失投だったとは思うが、マン振りしていたら詰まっていた。逆方向を意識しながら、回転でさばく打撃もできる。爆発的な長打力はなくなるかもしれないが、以前のように外のスライダーやフォークのとんでもないボール球を振ることもなくなったでしょう。相手の失投を仕留める打撃をしたことで、原監督も4番にする目安になった。

 最後に岡本について。あれだけ軸足が動くということは前に出されているということ。なぜスタンスが広くなるのか、なぜ軸足が動くのか。一個一個、バックしながら原因を探ってほしい。もどかしい思いで見ているが、コーチと一緒に考えているだろうし、最後は自分だからね。メンタル面も見つめ直して、乗り越えて欲しい。

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