聖望学園 OB鳥谷氏らの前で初戦突破 セオリー度外視の奇襲で2点目

  3回、上石の適時打で生還し、雄たけびを上げる聖望学園・園山
 聖望学園の応援に駆けつけたOBの鳥谷敬氏
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 「全国高校野球選手権・1回戦、聖望学園8-2能代松陽」(10日、甲子園球場)

 19年ぶりに夏の聖地に響いた校歌。阪神などで活躍した鳥谷敬氏らOBも集結した中、チーム一丸で聖望野球を体現した。5犠打&4盗塁を含む16安打で8得点。浦和学院、春日部共栄…。強豪ひしめく埼玉大会をノーシードで勝ち抜いたプライドがある。

 「イチかバチかでした」。就任37年目の岡本幹成監督(61)が勝因に挙げたのは1点リードの三回だ。2死二塁で打席に上石航大外野手(3年)。2-2からランエンドヒットのサインを出した。打球が三遊間を抜け、奇襲で2点目を奪った。

 セオリー度外視の攻撃は長年、県大会を勝ち抜くために磨いた技だ。「他の高校は長打、長打。バント、盗塁を磨かないと勝てないと言ってきた」と同監督。データ班の分析も生きた。「2-2は80%の確率でストライクがくる」-。迷いなきスイングの裏に、裏方選手の努力があった。

 14日の2回戦は春の王者・大阪桐蔭に挑む。「選手が頼もしく見える。戦う機会を与えてくれたので、精いっぱい子供たちと戦いたい」と岡本監督。夏はまだ、終わらせない。

 ◆鳥谷敬氏「初めて甲子園のアルプス席で母校の試合を観戦させてもらいました。応援する側はこんなにハラハラドキドキするものなのですね。次戦はセンバツ王者の大阪桐蔭。選手も監督も応援団も全力を出し切ってほしいと思います」

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