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阪神園芸初の女性グラウンドキーパー 夏の甲子園で「最高の夢舞台に」

 トンボがけを行う阪神園芸・石躍奈々さん(撮影・伊藤笙子)
 開幕戦を前に、バッターボックスのラインを引く阪神園芸・石躍奈々さん(撮影・伊藤笙子)
 開幕戦を前に、バッターボックスのラインを引く阪神園芸・石躍奈々さん(撮影・伊藤笙子)
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 「全国高校野球選手権」(6日、甲子園球場)

 雨天で30分遅れとなった開会式前、グラウンドに敷かれたシートを取り外す作業の中に、髪を結んだ女性が一人。甲子園球場のグラウンド整備を担当する阪神園芸で、初の女性グラウンドキーパーとなった石躍(いしおどり)奈々さん(23)だ。

 重いシートを折りたたんで運ぶと、トンボかけ、ライン引きと、同僚とともに流れるように仕事をこなした。今夏が自身初の甲子園。「球児の夢の舞台。最高のグラウンドに整備するのが仕事」と作業する姿には喜びが満ちあふれている。

 兵庫県西宮市出身。武庫川女子大まで甲子園のお膝元で育った。自身は小学校時代に男子の中でプレーしたサッカー少女で、中高大と全国大会に出場。GKとして活躍したが、大学1年の時に頸椎(けいつい)を痛めて選手を断念した。

 昨春大学を卒業し「(大学は)土のグラウンドでボコボコだったのでトンボをよく使っていた。整備に興味があった」と阪神園芸に入社。同社には文字通り、園芸や草花に関わる部署があるが、石躍さんはグラウンドキーパー一本で志望した。

 各部署を回る新入社員の研修中、グラウンドキーパーの現場を取り仕切る甲子園施設部長の金沢健児さんに「やりたいんです」と直訴。前例はなく「男性ばかりでしんどいかなとも思った」という金沢さんだが、「スポーツをやっていたと聞いていたので(体力的には)大丈夫かと。男女を分けるわけではないが、女性はきめ細いことができるかもという思いもあった」と配属がかなった。

 今年7月まで各地の施設で技術を磨き、今夏、念願の甲子園に立った。今月2日の全国高校女子硬式野球選手権の決勝でも整備を行い、今大会はライン引きを担当する。金沢さんは「2年目で(ライン引き)は飛び級。えこひいきだけどね」と笑うが、これも期待の現れだ。

 整備カーを運転し、重い道具も運ぶ。手のひらにはサッカー時代にはできたことがない硬いマメができた。経験を積むたびに「細かい技術が必要で繊細な職人技」と難しさを痛感し、天気の判断や「(土へまく)水加減も難しい」と課題は山積みだ。それでも「やりがいがあります」と石躍さん。「神整備」の一員として、スポーツや野球を愛する女性たちへ「こういう仕事もあると見てもらえたら」と日焼けした笑顔を咲かせた。

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