巨人・ウォーカーの想定を超える成長ぶり 高代氏「伸びしろしかない末恐ろしい選手」

 「巨人6-2中日」(28日、荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがた)

 巨人がアダム・ウォーカー外野手(30)の攻守にわたる活躍で快勝した。広角に打ち分ける3本のヒットと本塁への好返球。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「打撃では軸が崩れなくなったし、守備でも日々の訓練の成果が出ている」と同選手の急成長ぶりに舌を巻いた。

  ◇  ◇

 この試合のヒーロはウォーカーだと言ってもいいぐらい、攻守に頑張っていたね。

 まず打撃についてだが、左翼への二塁打を放ったあとは中前打、右前打と広角に打ち分けている。これはたまたまではないね。

 中前打と右前打はいずれも小笠原のカーブだった。これを一瞬の“間”を作って捉えている。このときに体の軸が崩されていない。

 崩されたときは、左手1本で当てに行く形になるものだけど、彼の場合は両手で打つことができている。これが特長だ。

 春ごろは球速の変化と配球にやられていたが、今では低めのボール球をしっかり見極められるようになっている。“慣れ”が大きいね。

 目がいいのかもしれない。つまり動体視力。これも能力のひとつだからね。3割を超える打率の高さでも分かるように、着実に力をつけている。

 そして守備。これはかなり成長している。特にスローイング。そもそもプロレベルというより、野球選手として首をひねりたくなるような送球だったが、なんとかなってきている。

 四回二死一、二塁では石橋の放った左前打を本塁へダイレクト返球。見事に阿部を刺して補殺を記録した。スタンドが大いに沸いたし、ベンチも全員がバンザイ。

 一番喜んでいたのは日々、付きっきりで教えている亀井コーチではないかな。その成果が出たわけだから、うれしいでしょう。

 二回にもあった。一死一塁から高橋周の左中間へのヒットを処理したあと、一気に本塁を狙ったA・マルティネスを坂本との中継プレーで刺した。

 守備はやればやるだけ、うまくなる。どれだけやる気になって、高い集中力を保ってやるか。

 メジャーリーグに上がれなかった理由は守備力の拙さにある。向こうでは捕球後の送球練習などしていなかったのだろう。させてもらえなかったと言えば語弊があるかもしれないが、ダメと判断されればすぐに弾かれる世界。一人前の選手として扱われていなかったに違いない。

 そういう意味では手取り足取り、丁寧に指導してもらえる今は、野球人生で最も充実しているのではないか。

 守りに関しては、当然だろうが、伸びしろしかない。打撃に関しても、今後ますます伸びていく可能性がある。首脳陣もここまで想定していなかったのではないか。末恐ろしい選手になってきたね。

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