巨人に大誤算の八回継投 交代バッテリーが墓穴 高代氏「意図の感じられない配球」

 「中日2-0巨人」(17日、バンテリンドーム)

 巨人が中日・大野を打ち崩せず、完封負けを喫した。ディフェンスでは八回、菅野からバトンを受けた今村がピンチを作り、ビエイラが痛打されて決勝点を献上。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「左打者3人に対する配球に問題あり」とバッテリーの“浅慮”に疑問を投げかけた。

 ◇ ◇

 まず先発した菅野についてだが、7回を0点に抑えたとはいえ、本来の姿ではないと感じた。

 復調のバロメーターは“150キロ近い球速に直球の制球が伴っている”ことだろう。だが、球速を上げると制球力が落ちるため、あえて球速を落としていたように見えた。

 万全ではない状態が伝わってきたが、制球力の点では今年一番。丁寧な投球で投手戦に持ち込んだ。

 投げ合った大野の出来は抜群だった。球は速いし、制球も見事。特に右打者の内角へ直球がズバズバ決まり、実に大野らしい投球だったね。

 巨人がこの試合をモノにするには、とにかく点を与えないこと。それしかなかった。

 八回表は二死満塁の好機を得たことで、打席の回った菅野に代打を送った。巨人ベンチは勝負を賭けたわけだが、その裏に大誤算が待っていた。

 菅野をリリーフしたのは左腕の今村。大島から3人続く左打者を考えれば当然の人選だが、その3人への攻め方に疑問を感じた。なぜなら今村の特長であるカーブを使っていないからだ。

 大島には直球攻めで三遊間を破られた。狙い打ちされたと思える打球だった。

 一死二塁からは高橋周にも直球を投げて遊撃の内野安打。この日の高橋周は速い球に遅れていることがバッテリーの頭にあったのかもしれないね。

 ただ、この緩くて大きな今村カーブは打者にとって“邪魔”になる球。それだけに効果的に挟むべきではなかったか。

 そしてもうひとつ疑問に思ったのが、無死一塁の場面での岡林への対応。結果、1ボール2ストライクから送りバントを決められるのだが、最後に投げた変化球はいただけない。

 あそこはバント失敗を誘う速い球が理想だろう。岡林はその初球にバントを試みて直球をファウルしている。3球目には同じ直球にバントが空振り。ならばなおさらだった。

 仮にスリーバントの確信が持てなかったのなら、牽制球を挟むなどして様子を見てもよかった。

 変化球は、打ちにきている相手には有効だが、バントの構えからはボールの軌道がよく見えるから楽。沈み込む球であれば単なる緩いボールでしかない。

 八回裏からマスクをかぶっていた大城には、そういうことも踏まえてサインを出してほしかったね。

 厳しい言い方になるが、左打者3人を抑えるために出てきた今村だったが“内容ゼロ”と言ってもいいほど、攻めの意図を感じなかった。

 その後、マウンドに上ったビエイラが打たれて万事休したが、決勝点を取られた“結果球”よりも、そこへ至る経過に問題があったように思う。

 とにかくこの試合は、終盤に出てきた選手が、役目を果たせずに負けたという印象が強いね。

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