巨人の将来像くっきり 若い増田陸、中山、山瀬に高代氏「近年にない成長ぶり」

 「楽天1-4巨人」(10日、楽天生命パーク宮城)

 巨人・戸郷翔征投手(22)がプロ初の完投勝利で7勝目を挙げた。リードしたのは若い3年目の山瀬慎之助捕手(21)。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「増田陸を筆頭に巨人の若手は近年にない成長ぶりを見せている」と語り“新しいジャイアンツ”をイメージした。

  ◇  ◇

 まず評価しなければならないのは戸郷でしょう。この試合は浅村に本塁打されたように逆球が多く、出来そのものはあまりよくなかったが、尻上がりに調子を上げていったね。

 終盤に入っても150キロを示すなど球威も落ちていなかった。楽天打線の淡泊な打撃に助けられた面はあったが、粘り強く投げて状態を立て直し、完投したのは立派だった。

 今年の戸郷は六、七回の“難所”を乗り越えられるようになっている。昨年までは急に崩れて捕まることが多かっただけに、進歩のあとが見える。

 その戸郷をリードした山瀬も大したもの。まだ3年目だが、先輩投手に対して落ち着いてアドバイスを送り、引っ張っていた。非常に“いい雰囲気”をもっている。

 肩が強いと言われているが、キャッチングもいいし、打力もありそうだ。戸郷を完投に導いたのは事実だし、ほかの捕手たちもウカウカしていられないのではないか。

 今年の巨人は若くてイキのいい選手が出てきているが、その代表格は増田陸だろう。二回1死一、三塁の場面では左中間へ二塁打を放ったが、追い込まれたあとのチェンジアップをうまく捉えたものだ。

 彼の特長は振りの鋭さにあるが、それだけではない。思い切りのいいフルスイングを見せたかと思うと、カウントが不利になると柔軟性のある打撃に切り替えることができる。

 打席数は少ないが、しっかり打率を残せているのはそこに理由があるのだろう。

 九回には一、二塁間への打球に飛びつき、ベースカバーに入った戸郷へきれいに投げていた。二遊間を本職にしているだけに動きもいい。

 同じ若手の中山は、坂本が戦列に復帰したことでベンチに下がったが、将来像を描けばポスト坂本の筆頭格。いずれ増田陸との競争になるのかもしれないが、守備力では中山が一歩リードしている。

 今後もチームに帯同し、坂本を休ませたケースでは先発起用されるはず。そういう意味でも欠かせない存在だろう。

 若手のポジション争いや配置に関しては、どうなるか分からないが“次の巨人”の青写真は、できつつあるのではないか。

 野手に関しては近年の巨人にはない成長ぶりが見られる。坂本、岡本以降、若い芽が育ちかけては外国人選手との絡みやケガなどで伸び悩んでいたからね。

 増田陸にはそういう“負の条件”を吹き飛ばしてしまいそうな勢いと可能性を感じる。ほかの若手もそれに連なるいい流れができ始めている。

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