日本ハム・吉田輝星 今季躍進の影に阪神・藤川SAとの“リモートレッスン”

 熱い夏の甲子園を熱い剛速球で沸かせた高校時代-。18年ドラフト1位で日本ハム入りした吉田輝星投手(21)は入団1年目の19年6月12日の広島戦でプロ初登板初先発初勝利を飾ったが、昨季まで3年間でその1勝のみに終わっていた。今季はほぼリリーフでチーム最多の20試合に登板。1勝2HP、防御率3・33と欠かせない存在になっている。躍進の要因は磨き上げた直球。その影に、阪神・藤川球児SA(41)との“リモートレッスン”があった。

 吉田と藤川氏は頻繁にSNSで意見を交わす。動画を送り、チェックしてもらい、アドバイスを受ける。そんな作業を繰り返す。

 「最近は自分で考えて、だいぶ教えてもらったことはあるので、その中で修正できなかったら聞くとか、あとは本当に良かった時とかは藤川さんから連絡もあるのですごく感謝してます」

 時に「いい球投げているね」などの言葉を投げかけられる。“リモートレッスン”を繰り返して、自らのスタイルを作り上げる吉田の姿がある。

 今季は開幕3戦目のソフトバンク戦で先発したが、残りの19試合は全てリリーフで投げてきた。当初は劣勢の場面。結果を残し、現在では競った場面で登板する。武田投手コーチが「すごく心強いんですよね」と話すなど首脳陣の信頼も厚い。

 躍進の理由はもともとの武器であった直球の進化。球速は150キロ前後と変わらない。伸びが違う。新庄ビッグボスも「真っすぐを投げるって分かっていてファウルにさせている」と評価する。

 ひとつの出会いがきっかけになった。2月10日。2軍BOSS組の国頭キャンプだった。新庄ビッグボスの頼みを受けて、藤川氏が視察。吉田は、練習後に藤川氏を訪ねた。「ストレートってどういう意識で投げられていますか?」。以来、“火の玉ストレート”習得へ。壁に当たれば連絡を取り、アドバイスを求める。その繰り返しだった。

 「教えてもらう前は今考えたら違うなと。教えてもらった後もぎこちない、自分がどういう動きをできているかわからない状態。最近はフォームを見る前に大体予想はできるようになりました。そういう意味ではちょっとずつ感覚は出てきたのかなと思います」

 吉田は「真っすぐを一番自分の代名詞というか持ち味にしたい」と言う。藤川氏の動画もレッスン前からチェックしてきた。直伝の“火の玉ストレート”を武器に、その素質は開花しつつある。(デイリースポーツ・鈴木創太)

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