「選抜高校野球・１回戦、金光大阪４－０日大三島」（２１日、甲子園球場）

　「小さい頃から目指していた場所」で最後まで全力プレーを貫いた。金光大阪に０－４と勝利には届かなかったが、日大三島（静岡）の京井聖奈内野手（３年）は「楽しかったです」と充実感をにじませた。

　一度は諦めた舞台だった。中学ではダルビッシュ（パドレス）らを輩出している羽曳野ボーイズに所属。しかし、２年冬に両膝の成長痛で退団した。ただ、野球から離れていた間も友人に誘われて遊びでしていたといい、「もう一度やりたいと思った」。日大三島への進学を機に本格的に野球を再開した。

　憧れだった舞台で４打数２安打と躍動。アルプススタンドから見守った父・久典さんは「少し感動したというか、現役で野球をやっている姿を見てホッとした」と目を細めた。

　悔しさが残る初聖地となったが京井にとって大きな財産にもなったはず。「夏、もう１回ここに戻ってこられるように、チャンスで打てるように、練習していきたい」。この経験を糧に、さらなるレベルアップを誓った。

　◆京井聖奈（きょうい・せな）２００４年１１月５日生まれ、１７歳。大阪府松原市出身。内野手兼投手。右投げ左打ち。１７４センチ、７０キロ。河合小３年時に長曽根ストロングスで野球を始め、５、６年時に全国大会２連覇を達成。松原中２年まで羽曳野ボーイズでプレーした。日大三島では１年秋からベンチ入り。５０メートル走６秒８、遠投８５メートル。