亡き妻、母に捧げた聖地での勝利 宮崎選抜・坂元親子 マスターズ甲子園

7回裏宮崎選抜無死、左中間に二塁打を放つ宮崎工OBの坂元栄二郎氏=甲子園(撮影・佐々木彰尚)
1回表天王寺無死、藤原の二塁ゴロにグラブを出す宮崎選抜・宮崎農OBの坂元皇太氏=甲子園(撮影・佐々木彰尚)
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 「マスターズ甲子園、宮崎選抜6-5天王寺OB」(5日、甲子園球場)

 大会2日目が行われ、宮崎選抜が天王寺OBとの接戦を制して悲願の勝利をおさめた。

 初日の開会式で選手宣誓を務めた坂元親子が、甲子園のグラウンドを駆け回った。「3番・二塁」でスタメン出場した息子の皇太(18)は、いきなり飛んできた先頭打者の打球を冷静に二ゴロに処理するなどして躍動。高3時はコロナ禍によって甲子園への夢が絶たれたが「ずっと夢に見た甲子園でプレーができて、1回表に守備についたときは涙が出てきました。中止が決まった時は『今まで何のためにしてきたんだろう』と思った時期もありましたが、野球を続けてきてよかったと思いました」と悔しさを晴らした。

 父・栄二郎(50)は六回から出場。失策などもあったが、5-5の七回には左中間へ二塁打を放って決勝点につなげる活躍を見せた。マスターズ甲子園への出場が決まった10月1日、最愛の妻・たけ子さんが病気のため死去。プレーする姿を見せることはかなわなかったが「いろいろな思いが詰まったグラウンドに息子と立てて感動しました。最後のヒットは家内が打たせてくれたのかなと。連れてきてくれてありがとうと言いたいですね」と振り返った。

 皇太も「お母さんがあっての野球人生だった。必ず見てくれていたと思う」と涙ながらに語った。現在は、高校時代にケガに苦しんだ経験から独学でスポーツトレーナーについて勉強しているといい、将来的には「野球に少しでも貢献できる仕事に就きたい」と目を輝かせた。

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