【岡義朗氏の眼】95年の再現…“ID野球”貫いたヤクルト

 「日本シリーズ・第6戦、オリックス1-2ヤクルト」(27日、ほっともっとフィールド神戸)

 ヤクルトが延長十二回の死闘を制し、対戦成績4勝2敗で20年ぶり6度目の日本一に輝いた。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏(68)は、故・野村監督時代から根付く「データを最大限に活用した野球」の遂行が日本一につながったと指摘した。

  ◇  ◇

 1995年の再現。そんな言葉が思い浮かんだ。ヤクルト対オリックス。「ID野球」を標ぼうして黄金期を築いた故・野村監督が、当時の中心打者だったイチローを徹底的に封じ込めて日本一となった。

 両軍監督の大胆な選手起用が際立ち、どちらが勝ってもおかしくない、全試合が僅差となった素晴らしい日本シリーズだった。ヤクルトが栄冠を手にした理由はやはり、当時から根付く、データを最大限に活用した野球をこの大舞台でもやり切ったところにあるのではないか。

 例えばこの試合、4番・杉本への攻め方を見ても、その徹底したデータの活用がうかがえる。先発の高梨が1打席目、内角に強い球を集めて三振を奪った。

 2打席目は死球。その後も「こんなカウントから?」と思うようなところでも、内角を執拗(しつよう)に突いていった。これが4打席目、走者を2人置いたところで生きる。杉本は腰が引けた形で空振り三振だった。

 敵のキーマンに仕事をさせないためのデータ活用。吉田正は内角の緩急、モヤからは高低だけで三振を奪う。これがヤクルトの強さだった。

 ただ、一言添えたいのはオリックス先発・山本のすごさ。ヤクルトがデータを持って、直球に狙いを絞ってきている中で、あえて直球勝負でねじ伏せる。かと思えば中盤以降、変化球主体で三振を量産。データ野球の上をいった9回1失点は、本当に素晴らしい、日本のエースのピッチングだった。

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