【藤田平氏の眼】オリックスは守りを捨ててでも攻撃的布陣が必要だ
「日本シリーズ・第4戦、ヤクルト2-1オリックス」(24日、東京ドーム)
ヤクルト・石川、オリックス・山崎颯と、全く違うタイプの両先発が、素晴らしい投球を見せた。
石川は五回まで二塁を踏ませない投球。球数も少なかった。それだけに、高津監督も五回裏、先頭・石川に代打を送らず続投させた。
直後、2死から石川は福田、宗の連打と味方の失策で1点を失った。前半はボール球に手を出して石川を助けていたオリックス打線が3巡目となり、見極めの意識を高めたことで、福田も宗もフルカウントまで粘り、甘くなったところを捉えることができた。
そこまで試合を支配していた石川を一気に攻め立てた形だが、ヤクルトの完璧な継投もあって、逆転にまでもっていけなかったところが今のオリックスの苦しさだ。
特にここ2試合は、中継ぎの出来が勝敗を左右した。ヤクルトは、リリーフ陣の勝利と言ってもいい。
追い込まれたオリックスとしては、もちろん先発、中継ぎの踏ん張りは不可欠だが、ヤクルトの継投を崩す打力を取り戻さない限り、逆転日本一はない。
誰をどこに入れるか、ジレンマはあるだろうが、守りを捨ててでも、得点力を上げる思い切ったオーダーを組むべき時ではないだろうか。