ヤクルト3連勝で王手 石川が日本Sセ最年長星 オリックス打線ほんろう6回1失点

 「日本シリーズ・第4戦、ヤクルト2-1オリックス」(24日、東京ドーム)

 ヤクルトが3連勝で20年ぶりの日本一に王手をかけた。先発の石川雅規投手(41)は、オリックス打線を幻惑する投球で6回1失点。セ・リーグでは日本シリーズ最年長勝利投手となった。第5戦が行われる25日は高津監督の53歳の誕生日。4連勝でのバースデーVを目指す。

 笑顔が光ったお立ち台を終えると、石川がつば九郎と抱き合った。プロ20年目、そして長かった6年。「勝てたので100点です!!」。直球を主体に、変化球も全て使った。老かいにオリックス打線を翻弄(ほんろう)した6回3安打1失点で、セ・リーグではシリーズ最年長勝利だ。

 最大のポイントに挙げたのは、初回だった。1死から宗に左前打を許し、警戒していたクリーンアップを迎えた。それでも吉田正を空振り三振に仕留めると、杉本を中飛。立ち上がりを無失点でしのぐと、勢いに乗った。

 二回から五回までは、安打一つも許さない快投劇。1点リードの六回には2死からの連打に味方のミスも重なって、追い付かれた。それでも吉田正を二飛に打ち取り、逆転は阻止。直後に味方が勝ち越しに成功し、石川に歴史的な日本シリーズ1勝が刻まれた。

 前回15年のシリーズではソフトバンクを相手に2戦2敗。その悔しさを胸に抱き続けた。41歳を迎えながらプロ野球最高峰の舞台で手にした初勝利。今季はコンディション不良などで出遅れ、勝ち星にも恵まれなかった。それでも「勝つことができて、自分に『よかったね』と言ってあげたい」。悔しさが、晴れた瞬間だ。

 今年で41歳。チーム最年長のベテランは、たくさんの思いを背負ってグラウンドに立つ。昨季には同級生の五十嵐が現役引退。最後の試合を見つめると、瞳には涙が浮かんだ。

 「一緒にやってきた戦友だった。1軍で結果を残すことが亮太への恩返しになると思うので、勝手に思いを背負っていきたい」

 後輩たちから託された勝利のバトンをつなぎ、20年ぶりの日本一へ王手をかけた。悲願達成まで、あと1勝。「やはり日本一にならないと、借りを返せたことにはならないですね」。仲間と共に頂点へ向かう。さぁ、歓喜の瞬間はすぐそこだ。

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