ヤクルト・青木 宮城攻略ベテランの一振りV打「甘いところ待っていた」
「日本シリーズ・第2戦、オリックス0-2ヤクルト」(21日、京セラドーム大阪)
「SMBC日本シリーズ2021」の第2戦で、ヤクルト・青木宣親外野手(39)が決勝打を放った。オリックス・宮城に苦しめられていた中、八回に先制の中前適時打で均衡を破った。勝負どころを逃さない頼れるベテランが、日本一へとチームをけん引していく。
大舞台でこそ、その真価は発揮される。難敵の宮城を攻略したのは、ベテラン・青木のひと振りだ。両チーム無得点で迎えた八回。2死一、二塁の場面で内角の直球を中前へはじき返す適時打。待望の1点をもぎ取った。
「とにかく甘いところをずっと待っていた。やっと来たという感じ。勝つにはあそこで打つことだと、集中して打席に入った」
打線は序盤から宮城の投球に翻弄(ほんろう)された。五回まで完全投球を許す展開。六回1死での、西浦のチーム初安打となる中前打から2死一、二塁の好機を作るが、青木が三ゴロに倒れて無得点に終わっていた。
だが、青木は気持ちを切り替えて次の好機を待った。「(前の打席を)引きずることはない。本当にいいところに投げられていたので仕方ない。勝負ごとなので」。虎視眈々(たんたん)、わずかな勝利の糸口を探るベテランに、再び絶好の場面が訪れた形だった。
どんな困難な状況でも決してあきらめない。今季の燕軍団の戦いが、それだ。前日は痛恨のサヨナラ負け。嫌なムードがチームを覆い尽くしそうになる中で、試合前の円陣の声出しに青木が立った。
「このプレッシャーを感じながら、意気に感じながらプレーしていこう!」。日本代表としてWBCに3度出場し、2度の世界一に貢献。米大リーグ・ロイヤルズ時代の14年にはワールドシリーズにも出場した。大舞台を知る男の言葉が、チームの士気を高めた。
青木にとって日本シリーズは初めての経験。それでも「もちろんプレッシャーは感じているが、こういう大舞台を意気に感じてプレーしたい。そういう気持ちで臨んでいる」と強い思いを言葉に乗せる。頼れるベテランの背に導かれ、悲願の20年ぶり日本一へ-。その第一歩を踏み出した。