ヤクルト・高津監督 貪欲采配でセ13連敗に終止符 高橋完封「鍛えてきた成果」

 「日本シリーズ・第2戦、オリックス0-2ヤクルト」(21日、京セラドーム大阪)

 「SMBC日本シリーズ2021」の第2戦は、第1戦で敗れたヤクルトが勝利して1勝1敗のタイ。22日は試合がなく、第3戦は東京ドームで行われる。

 ヤクルト・高津監督が両手を大きく広げ立ち上がった。拳を力強く握りしめ、コーチ陣とグータッチを交わした。自身の日本シリーズ初勝利は、セ・リーグの2018年から続いていた13連敗にも終止符を打った。

 「そんなにたくさん点を取れないと思っていた。ロースコアでどう点を取って、守り抜くか、そんなことばかり考えていた」

 指揮官の頭はフル稼働していた。相手先発の宮城に六回1死まで完全投球と苦戦しつつも1点リードで九回を迎えた。何としても、もう1点。1死からサンタナが四球を選ぶと、ここで犠打のサイン。指揮官の意図をくんだ中村がしっかり決めて2死二塁に。オスナが執念の右前打、敵失も重なり貴重な追加点が入った。選手が役割を果たし、貪欲に1点を奪い取った。

 投げてはプロ初完封、前夜サヨナラ負けの悪夢を振り払った高橋を、ベンチ前でぐっと引き寄せ抱きしめた。「立ち上がりはバタバタしたが、よくここまで投げた。投げられるようになった。鍛えてきた成果が今日出た」と試合後のインタビューで感慨深い表情も見せた。

 1勝1敗でチームは東京に戻る。本拠地の神宮ではないが「しっかりといいゲームをしていきたい」。20年ぶりの日本一へ、指揮官は選手たちを信頼して送り出す。

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