ヤクルト・高橋 日本S初登板でプロ初完封 高津監督に恩返し“お墨付き”もゲット

 「日本シリーズ・第2戦、オリックス0-2ヤクルト」(21日、京セラドーム大阪)

 「SMBC日本シリーズ2021」の第2戦が京セラドームで行われ、第1戦で敗れたヤクルトが勝利して1勝1敗のタイとした。先発の高橋奎二投手(24)は133球を投げて9回を5安打5奪三振、球団では初となる日本シリーズ初登板での完封勝利を果たした。22日は試合がなく、第3戦は東京ドームで行われる。

 我慢比べの時間を経て、高橋が最後に笑った。仲間を信じ、諦めなかった133球。「気合で投げました」。日本シリーズの頂上決戦で、5安打無失点での完封劇を飾り、価値ある1勝が刻まれた。

 表情を一切緩めることなく、自分自身と向き合い続けた。五回までは毎回安打を許すも、それでも決定打は与えない。初回には2死一塁から、自らのけん制で走者を誘い出し、立ち上がりを無失点。二回にはラベロの打球に遊撃・西浦がバックトスで併殺打を完成させるなど、味方の好守にも励まされた。

 六回以降は無安打投球。「記憶にないですね」と笑うが、とにかく必死だった。初めて立った日本シリーズのマウンド。何度もグラブをたたきながら拳を握ると、八回には待望の先制点。均衡が破れると、高橋は「ギアを上げて」と最後の力を振り絞った。

 孤独での戦いが、高橋を強くしたのだろう。今季からは練習中から一人で行動する時間が増え、「助言を聞くのもそうだけど、自分で考えながらやるのもありなのかな」と弱さと向き合い続けてきた。自宅に帰れば、他球団の試合をチェック。複数のバッテリーの配球や攻め方を学び、貪欲に吸収した。

 シーズンも終盤になった頃、練習中に高津監督とキャッチボールする機会に恵まれた。2軍時代から指導されていたこともあり、「2年目か3年目に、『チェンジアップをずっとやれ』と言われていて。この日、『回転がよくなったね』っていう話をしてもらいました」と指揮官からの“お墨付き”を喜んだ。

 日本一をかけた戦いは、これで1勝1敗になった。第1戦に喫したサヨナラ負けの悔しさを、すぐさま晴らした完封勝利。高橋は言う。「向こうの宮城くんもすごくいい投球をしていたので、自分は先に降りるかと思ってマウンドに立っていました」。強い気持ちが劇勝を呼び込んだ。

 飛躍した今季の集大成の舞台でもある。「こういう大事な場面で、監督に使ってもらったので」。恩返しのプロ初完封。高津監督の胸に飛び込み、最高の笑顔が光った。

 ◆日本シリーズ・完封勝利投手 2008年(4)戦・岸孝之(西武=対巨人)以来、13年ぶり。初登板初完封も前述の岸以来で、通算13人目。ヤクルトの完封勝利投手は1978年(7)戦・松岡弘(対阪急)、97年(1)戦・石井一久(対西武)に次いで、24年ぶり3人目。

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