オリックス・中嶋監督「すごかった」九回宗同点打からミラクル!全員で勝った!

 「日本シリーズ・第1戦、オリックス4-3ヤクルト」(20日、京セラドーム大阪)

 いつもは落ち着いて振る舞うオリックス・中嶋監督が、喜びを爆発させた。本拠地でのシリーズ初戦。逆転サヨナラ勝ちを決めると、ベンチを飛び出してガッツポーズ。ファン総立ちの中で、同点打を放った宗を思い切り抱きしめた。

 「いやあ、すごかった。なかなかない。よくつなぎましたね。本当に最後、よくひっくり返したと思います」。最終回に2点差を逆転した全員野球に興奮は隠せない。

 これがオリックスの粘りだ。2点を追う九回。先頭の紅林が右前打で出塁。代打・ジョーンズは追い込まれてから粘って四球を選んだ。「あのフォアボールがかなり大きかった」と中嶋監督。メジャー通算282本塁打助っ人のつなぎの姿勢を高く評価。さらに福田の犠打が野選となって無死満塁となると、宗が同点の2点中前適時打。最後は吉田正と役者が決めた。

 ヤクルトに敗れた95年の借りを返すと日本一取りに燃えている。選手時代の高津監督と戦ったが、1勝4敗。「そりゃ悔しい」と当時を振り返ったが、「同級生ですけど、高津監督とやるわけじゃない」と個人的な思いを封印。シーズン同様の諦めない、全員野球を貫き、最高の滑り出しを決めた。

 前日19日の監督会議では、ヤクルト側の意見もあって予告先発をしないことが決定した。それでも中嶋監督は、第1戦の先発を山本と予告した。そしてこの日の試合後も、「宮城です」と第2戦の先発を発表した。どこまでも王道を歩んでいくつもりだ。

 試合後の監督インタビューでは「最後まで諦めなかったのが勝ちにつながった。最後まで応援してください。何か起こします!」と宣言し、観客を沸かせた。目指すは96年以来の日本一。あと3勝。中嶋タクトがさえる。

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