ヤクルト断然有利も連敗すれば微妙な空気に?高代氏「先に1つ勝ちたかったはず」
「阪神11-0ヤクルト」(19日、甲子園球場)
マジック4で阪神との最後の直接対決2連戦に臨んだヤクルトが思わぬ大敗。阪神は逆転優勝へわずかに望みをつないだ。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「ヤクルトが断然有利とはいえ、先に1つ勝ちたかったはず」と語り、2戦目を“正念場”と位置づけた。
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初回の攻防がその後の展開を大きく左右したね。
まずヤクルトだが、打順を組み替えて、オスナの代わりに5番に上げたサンタナが、一死満塁の絶好機に遊ゴロ併殺打。先制攻撃どころか完全に裏目に出てしまった。
同じく打線をいじった阪神は1番に据えた島田がヒットで出塁。2番の中野が1ボールからの2球目にエンドランを成功させてチャンスを広げた。
制球のいい奥川だからストライクが来るだろうとの読みが的中したね。左方向への打球だったため島田は三塁を奪えなかったが、いい流れで近本に回った。
大山の不調が原因で近本3番のオーダーを組んだのだろうが、その近本が先制の3ラン。阪神サイドの思惑が、ものの見事にハマった感じだった。
その後、三回と四回に中野が盗塁を決めたが、阪神は初回のエンドランも含めて、久しぶりに動いたという印象を受けた。
自ら仕掛けていくという積極采配は、ゲームを支配する重要なカギになるということだろう。
投手の青柳に四球を与えるなど、奥川の出来もよくなかったが、立ち直る時間を与えずに攻め続けたのもよかった。
島田が4安打3打点。木浪が3安打2打点。一見、ピストルのように見える打線ではあったが、スタメンで起用した控えの選手が大活躍しての大量得点だからね。
1敗もできない立場で追いかける阪神にとっては非常にいい勝ち方。首の皮一枚残した状態だが、直接対決の初戦に大勝したのは明るい材料だ。
ヤクルトはマジック4で優勝目前。この2連戦は1勝1敗で十分と思っているだろう。とはいえ先に1つ勝ちたかったのが本音ではないか。
依然としてヤクルトが有利な状況にあるのは間違いないが、連敗すると微妙な空気が漂ってくるかもしれない。
スタメンから外れた塩見の不調が気になるし、ワンサイドゲームになったこの日の試合で、阪神が勢いづく可能性もある。
直接対決の最後となる2戦目は是が非でも勝ちたいところ。ヤクルトにとっては正念場と言えるかもしれないね。