「西武２－６日本ハム」（１９日、メットライフドーム）

　今季限りでの引退を表明していた西武・松坂大輔投手（４１）が１９日、埼玉・所沢市内の球団事務所で引退会見を行った。その後の日本ハム（２３）戦（メットライフ）では引退試合として先発のマウンドに立ち、１番に座った横浜高の後輩、日本ハム・近藤健介外野手（２８）に四球を与えて降板。２３年間のプロ生活に別れを告げた。

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　高校時代に怪物と対戦した。９７年夏の神奈川県大会、準々決勝。松坂は横浜高の２年生だった。東海大相模の６番・一塁で出場した私は二回の第１打席で三振。視界から突然消えた外角球にバットが空を斬り、バランスを崩して膝をついた。

　当時のミーティングメモには「最速１４４キロ、ストレート７３％」とあった。１４０キロ超なら全国クラスの時代。ただ、直球以上に“消えるスライダー”に衝撃を受けた。前年秋に対戦した際は四死球を連発。二回途中で降板していたが、制球難も解消されていた。

　第２打席以降も投ゴロ、空振り三振と歯が立たなかった。７点を追う九回は、真ん中のスライダーを右前打。ただ、大量リードの松坂が力をセーブしていたこともあり、おまけで打たせてもらったような一打だった。

　記者となり、デイリースポーツ評論家の谷佳知氏ら多くの選手から「松坂のスライダーは消える」と聞いた。プロの世界でも強烈なインパクトを残した怪物。その功績に拍手を送りたい。（９５～９７年東海大相模野球部・佐藤啓）