【斎藤佑樹と一問一答】苦しい時期もありましたけど野球ができて幸せ
「日本ハム4-3オリックス」(17日、札幌ドーム)
今季限りで現役を引退する日本ハムの斎藤佑樹投手(33)が17日、札幌ドームで行われたオリックス戦で引退試合に臨んだ。久しぶりの本拠地登板は、真剣勝負で打者1人に対し四球。早実時代の06年に夏の甲子園を優勝し、早大では通算31勝と華々しい成績でプロ入りも、度重なるケガに悩まされた“佑ちゃん”が、11年間のプロ生活に別れを告げた。斎藤佑との一問一答は次の通り。
◇ ◇
-最後の登板。直前の心境は。
「長いようで、11年間を短く感じましたし、今日が最後なんだというのが信じられない感じなんですけど、この日を準備していただいて本当に感謝しています」
-引退を決断した時期、理由は。
「去年のこの時期、肘を痛めて、そこから2021年のシーズンでチャンスをいただけるということで、今シーズンに向けて最後ということは自分の中では思っていたんですけど、そこからですね」
-引退を決めるにあたって相談した人は。
「相談は基本的には、してないです。自分1人で決めました」
-迷いは。
「迷いがないと言えばウソになりますけど、最後はしっかりと決断できました」
-家族にはどのように伝えた。
「今年で辞めます。シーズンを最後にと」
-どんな言葉が返ってきた。
「よく頑張ったということと、ここまで面倒見てくれたファイターズに感謝だねっていう言葉をいただきました」
-引退表明の後は、同世代の戦友から続々メッセージが。振り返って、仲間はどんな存在だったか。
「同世代の活躍はとても刺激になりましたし、僕が頑張る原動力にもなったので、現役でまだまだ頑張っている選手には、これからももっともっと頑張って欲しいですし、コメントをくれたのはとてもうれしかったです」
-引退試合であれば、三振という場面も見受けられるが、真剣勝負の顔だった。
「本当に一球一球、相手がどういうスイングをしてくるかとか、自分のボールの選択をどういうコースに投げようかとか。それを考えて、後のことは考えずに投げていました」
-かみしめながら投げた。
「そうですね。一番はファイターズファン特有のというか、3-2になってから拍手が起きて。本当はその状況はあまり投手としてはもっていきたくないんですけど、ただやっぱり、この拍手も、もう選手として聞くことはできないんだと思うと、いろんな思いがこみ上げてきましたね」
-チームとして勝とうという思いが伝わってきた。
「(堀)瑞輝が、やっぱり、頼もしい活躍を、今年1年通して活躍をやってくれたので。本当に申し訳なかったんですけど、安心して任すことができましたし、その後もみんな、最後にチームが勝てたので、それはとてもうれしかったです」
-杉浦からウイニングボール。
「杉浦も流れで渡しただけだと思うので、ありがたくいただいておきます」
-体の状態は気にならなかった?
「気にならなくはないんですけど。前回、鎌ケ谷で投げた時よりは、若干気持ち、肩は楽な状態ではありました」
-勝負は際どかった。
「悔しかったです。ただ、それも勝負なので。最後の最後まで、ファイターズのみんなに迷惑をかけてしまったなという気持ちがあります」
-保存療法、静養でリハビリを経て1年以内で復帰してというところについては。
「きっといろんな選択肢があると思うんですけど。その中で僕が選んだ保存療法という選択をして、結果的に肩は痛くなってしまったんですけど。肘に関していえば試合で投げられる状態までもってこられたっていうのは、一つの参考になるんじゃないかなと思いますね。きっとそれで救われる選手もいるかもしれませんしね」
-背負っている、というと2012年の開幕戦の時にも話していた。気持ち的には。
「そうですね。それは明日の朝、起きてみて」
-重かったか。
「僕は全然重いと思って野球をやっていないですし。もちろん、苦しい時期もありましたけど基本的には野球ができて幸せだなという気持ちでやっていました」