3位以下が確定した巨人 高代延博氏「CSへ進んでも勝てる気がしない」

 「巨人2-2阪神」(13日、東京ドーム)

 巨人が阪神と引き分けて今シーズンの3位以下が確定した。5安打2点で連敗脱出に失敗。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「今年を象徴するような重苦しい試合。これではCSへ進んでも勝てる気がしない」とバッサリ。

  ◇  ◇

 九回にスアレスから2安打を放って一死一、三塁の絶好機を作りながら吉川が空振り三振とは…。

 せめて前へ飛ばさないと。バットに当たれば、何が起こるか分からないのだから。

 松原も空振り三振。あと1本が出ずに、この日も連敗(7)からの脱出に失敗。今年を象徴するような試合だったね。

 初回と二回に得点を挙げながら、その後が続かない。三回以降はわずか3安打。結局、適時打なし。ホームランもなし。巨人らしい打線爆発、という試合に久しくお目にかかっていないね。

 岡本和も初回の犠牲フライ以降は音なし。ヤクルトの村上が39号を放ってキング争いで抜け出し、打点でも並ばれた。

 この4番の仕事ぶりも、ヤクルトとの差を表していると言われても仕方ない。

 すでに優勝の可能性が消えている以上、首脳陣はCSに頭を切り替えているはず。この日3位以下が確定した巨人だが、あとはその3位となって第1ステージをどう戦うか。

 しかし、どうも巨人にCSを勝ち抜ける気配を感じないね。とにかく重苦しいし、勝てる気がしない。

 投手陣では菅野、メルセデス、高橋あたりが先発として起用されるのだろうが、そこで軸になるべき菅野も、やはり物足りない。

 この日先発して7回8安打2失点だったが、失点はいずれも坂本に打たれたもの。

 二回の左前打は真ん中の平凡なスライダー。四回に浴びた左越え本塁打は、外角に投げた球がシュート回転して、これも真ん中に入った失投だった。

 よくないなりに抑えてはいたが、今年1年、ずっとこんな調子ではないか。

 球速は150キロでているが、球のキレが悪い。菅野特有の横滑りするスライダーは影を潜め逆球も目立つ。

 さらに、この試合で強く感じたのはインタバルの長さ。本来の投球にはほど遠く、それを本人も分かっていたのだろう。

 二回まではフルカウントになるケースが多く、その分、球数も増えていた。

 ボールの質の悪さが気になる菅野の投球だったが、CSへ向けて果たしてどこまで持ち直せるのか。打線同様、不安だけが残る試合だったね。

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