ヤクルトと巨人の気迫の差 高代延博氏「Vがかかるチームは、ここ一番で力が出る」

 「ヤクルト3-0巨人」(6日、神宮球場)

 ヤクルトが投打にわたる会心の試合運びで5連勝。2連敗の巨人は絶望的な状況に追い込まれた。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「優勝がかかっているチームは、ここ一番で力が出る」と語り、ヤクルトと巨人の気迫の違いを指摘した。

   ◇   ◇

 ヤクルトはいい勝ち方だった。少ないチャンスをものにして、きっちりと勝利につなげた。

 メルセデスの投球内容がよく、四回まで無安打に抑え込まれていたんだけどね。五回に村上の内野安打で始まった“ワンチャンス”を中村の先制二塁打で生かし、さらに西浦が中犠飛。

 五回まで毎回のように好機を作りながら、無得点に終わっていた巨人とは好対照だったね。

 優勝がかかっているチームは強い。特に終盤。可能性の薄くなったチームとの差がどんどん開いていく。

 気力が充実しているから1球もおろそかにしない。だから“ここ一番”で力が出る。

 ヤクルトの選手を見ていると、打者の一振り、投手の1球から強く伝わってくるものがある。とにかく気迫がすごい。

 これは優勝を争っている今に限ったことではなく、シーズン当初から感じていた。

 コロナの影響で複数選手が離脱したり、オスナ、サンタナの外国人選手2人の合流が遅れるなど、厳しい条件下にありながら、常にこの気迫というものがチーム全体にあった。

 一方の巨人は、急激に元気がなくなっているね。勢いの違いというものなのか。

 ただ、一つ指摘しておきたいことがある。初回の攻撃。先頭打者として四球で出塁した松原が、次打者若林の2球目に盗塁を試みて失敗したシーンだ。

 おそらくグリーンライト。フリーで走っていいことになっているとは思うが、相手バッテリーの“動き”から見ると、読まれていた可能性もある。

 投球は左打席の若林の外角への直球。まるで盗塁を予期していたような中村のストライク送球で完全なアウトだった。

 一塁走者が見せるクセや気配から盗塁を察知した時、捕手は投手に対して“横外し”というサインを出して、外角のややボールゾーンへ直球を要求することがある。

 明からさまにピッチドアウトせず、守備側の動きを隠して“それとなく”外す方法だ。

 このケースではゾーン内の投球だったが、ヤクルト側は何か臭いを感じていたのではないか。

 このあと、原監督がベンチで松原に声をかけているシーンがあった。注意をしている感じだった。

 投球モーションを盗めた時だけ走る。スタートが悪い場合は自重する。変化球を読んで走る。捕手の構えも参考にする。

 いくつかの注意点があると思うが、自分が相手を研究するのと同時に、相手も自分を研究しているはず。ひょっとしてクセを見抜かれているかもしれない。そう感じるべきだ。

 松原はこの試合で21試合連続安打を放つなど、着実に自力をつけている。1番打者としての適性も試される中、結果を出している。

 あとは状況に応じた打撃や走塁などの細かい野球。これらを身につければ、レギュラー定着は間違いないと思うね。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス