ヤクルト・山田 球団史に名を刻む5度目の30発 頼れる主将がVロード切り開く
「ヤクルト16-0中日」(26日、神宮球場)
神宮の秋風に吹かれて、ヤクルト・山田が球団史に名を刻んだ。球団日本人最多タイとなる5度目の30号を含む、2発&7打点で首位を堅守。「ある人物にすぐ抜かれると思います」。視線の先には、笑みを浮かべた村上がいた。最高の仲間と目指すVロードへ。ひたすらに突き進む。
試練の10連戦を負けなしで締めくくり、勢いづく8連勝だ。この日は1打席目から四球を見極め、村上の2ランで先制のホームに生還。三回には左翼席へのグランドスラムを放ち、四回に右前適時打、六回には31号2ランでさらに突き放した。
新たな歴史を開こうとしている。球団のシーズン30本塁打は、最多記録がバレンティンの8度。日本人では池山隆寛の5度で、山田は球団日本人最多タイとなった。大先輩に肩を並べ、打線をけん引。先発全員の14安打&今季最多16得点と快勝の立役者となった。
山田が初めてアーチを描いたのは小学4年の頃。小柄だったという少年時代は、「ホームラン気持ちいいな、楽しいなという感覚だけでやっていた」と笑う。いかに遠くに飛ばすかを考えながら素振りに励み、1番意識したのはスイングスピードだったという。
「本に書いてあることを意識しながら、ただ見た目はかっこよく。かっこよかったら間違いないかなと」
原点はシンプルで、積み重ねた努力が道を作った。「キャプテンですし、チームの勝利に貢献するプレーを先頭に立ってしたい」。2位・阪神とはゲーム差なしと、まだまだ続くVロードの試練。それでも山田には、仲間たちと成し遂げたい大きな夢がある。