「巨人大勝を引き寄せたのは坂本の守備力 バックハンドはお手本」高代氏が絶賛

 「広島0-13巨人」(22日、マツダスタジアム)

 ワンサイドゲームの明暗を分けたのは初回の攻防。名手菊池涼の失策が絡んで失点した広島に対し、巨人は坂本の好プレーで先発戸郷を援護した。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「野球はやっぱり守り」と坂本の守備力を絶賛した。

  ◇  ◇

 結果、13対0という大差のついた試合になったが、私はこの一方的な試合の流れを引き寄せたのは、間違いなく坂本だと思っている。

 初回の巨人の攻撃。吉川の二ゴロを、あの菊池涼が弾いた。続く松原のボテボテの当たりが内野安打。この状況で坂本が送った。

 年間、そう何度も送りバントのサインの出ない選手が初球、きっちり打球を殺して一発で決めた。

 直後に岡本が低めの難しい球を中前に打ち返したが、坂本の“犠牲バント”に応えたいという執念のようなものを感じた。

 その裏の守備。戸郷はボールが高めに浮き、不安定な立ち上がりだった。2死後、この回、2本目のヒットを浴びて打席に鈴木誠を迎えた。

 その鈴木誠の強烈な打球が三遊間に飛んだが、坂本がバックハンドでさばいて二塁封殺。この初回の攻防が、その後の展開を左右したと言える。

 6月26日のヤクルト戦で8勝目を挙げて以来、勝ち星から遠ざかっていた戸郷。特に初回は“鬼門”で、2試合続けて初回に3点を失っていただけに、無失点スタートで勇気づけられたはずだ。

 一方の九里は打たせて取るタイプ。ところが、最も信頼できる菊池涼が早々に失策。そこに巨人がうまくつけ込んだわけだ。

 この試合、坂本は2安打1打点と活躍したが、私の印象に残ったのはむしろ守り。ほかにも遊ゴロ、遊直を軽くさばいていた。打球が飛んだところに坂本がいるという感じだった。

 坂本が初回に見せたバックハンドのプレーに話を戻そう。

 何気なく、あっさりと処理しているから分かりにくいだろうが、これは基本に沿ったもので、お手本のプレーだといえる。

 正面のゴロもバックハンドで捕球するゴロも、上手な選手ほど、グラブのポケットを見せている時間が長い。つまり打球を点ではなく線で捉える。だからグラブがボールを待ち伏せしているような形になる。

 股を割った早い準備。グラブは下から上へ。坂本はすべて基本を身に着けている。

 現在、私はアマチュア選手を指導しているが、この捕球動作の基本を習得してもらうことに、多くの時間を割いているほど。

 少し話はそれたが、坂本の守備力は球界一と言ってもいい。そして自己犠牲の送りバント。打撃力も含め、その存在の大きさが出た試合だったね。

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