オリックス・杉本 ロッテM点灯阻止弾 連敗止めたバックスクリーン27号V2ラン
「楽天1-3オリックス」(16日、楽天生命パーク宮城)
オリックスは負ければ自力V消滅の窮地を4番がひと振りで救った。同点の八回1死二塁。杉本が安楽の直球を捉え、豪快にバックスクリーンへたたき込む決勝の27号2ラン。一塁を回って強く握った右拳に、思いの全てが集約されていた。
「点が取れなくて投手に迷惑ばかりかけた。本当に申し訳ない気持ちで。最高の結果で点が取れて良かった」
前夜まで今季ワーストタイの4連敗。その間の得点はわずかに2。前日の試合前にはT-岡田を中心に選手ミーティングを開き、意見を出し合った。導いた結論は「引いたらダメ。こういうときこそ積極的に」だった。
それは走塁にも表れた。1点を追う四回無死一塁で、一走・杉本は落ちる球が多くなることを読み「軌道が落ちる球だった」とワンバウンドになった瞬間にディレードスチールを敢行。捕手の悪送球の間に三進し、同点の足がかりを作った。
“善行”も結果につながる。八回に打席へ入ると前方に虫を発見。「危ないから助けてあげたら打てた。いいことをして良かった」と無邪気に喜んだ。
左太もも裏痛で離脱中の吉田正から「頑張れ、キング」とLINEで激励を受け、本塁打数で再びリーグ単独トップに。首位・ロッテとは3・5差。この一撃をのろしに猛追を見せる。