智弁和歌山・中西 圧巻10K完投 夏史上初の兄弟校対決で21年ぶり3度目V目指す

 「全国高校野球選手権・準決勝、智弁和歌山5-1近江」(28日、甲子園球場)

 準決勝2試合が行われ、智弁和歌山と智弁学園(奈良)が決勝に進んだ。夏は史上初の兄弟校対決となり、2000年以来21年ぶり3度目の優勝を目指す智弁和歌山はエース・中西聖輝投手(3年)が10奪三振で1失点完投。夏は初制覇を目指す智弁学園は、小畠一心投手(3年)が決勝3ランに完投勝利の独り舞台で初の決勝進出を決めた。

 最後の打者を遊ゴロに仕留めると、満面の笑みでガッツポーズを決めた。「2死から引き締め直して、最後のバッターに臨みました」。同じ失敗は二度と繰り返さない。悔しさを糧に、27個のアウトを取りきった。

 3回戦の高松商戦。先発した中西は、終盤まで快調に相手打線を封じた。崩れたのは4点リードの九回2死。直球勝負で試合を決めに行くが、粘られて四球。まだ笑顔はあったが、続く打者にも安打、死球。顔を真っ赤にした中西は、味方の失策で2点を失い降板した。

 「自分のミスで点を取られて…」。悲痛な顔で初戦を終えた中、挽回のチャンスは巡ってきた。「結果を残すこと」とエースの自覚を胸に刻み、圧巻だったのは1失点で迎えた八回。「ここで失点したらズルズル行くと思ったので力を入れた」といずれも決め球のフォークで3者連続三振に斬った。初戦の反省を生かし、終盤に漂う聖地独特の反撃ムードを完璧に振り払った。

 「取ってくれた点に全力で応えるだけです」。後ろを守る仲間が力の源だ。「野手は壮絶な練習をしてきてたので、自分はとにかく投げ込みました」と野手に感化され自らを鍛え上げてきた。六回の攻撃が始まる前には「追加点取るぞ!」という野手陣の声。「いっぱいいっぱいだったけど、本当に助けられました」と仲間の声にエースは奮い立った。

 最終決戦で相まみえるのは同じ赤の“C”を背負う智弁学園だ。「力のあるチームなので、全員野球で臨みたい」と中西。チーム一丸で智弁対決を制し、深紅の大旗をつかむ。

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