名采配 近江・多賀監督「はちゃめちゃなゲームになっちゃうかと」4点差逆転大阪桐蔭撃破

8回、勝ち越しの2点適時二塁打を放ちガッツポーズを決める近江・山口(撮影・高部洋祐)
8回、山口が勝ち越しとなる適時打を放つ(撮影・坂部計介)
大阪桐蔭を破り、大喜びの近江ナイン(撮影・坂部計介)
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 「全国高校野球選手権・2回戦、近江6-4大阪桐蔭」(23日、甲子園球場)

 近江が4点差を逆転して大阪桐蔭を下し、3回戦進出を果たした。勝利監督インタビュー。多賀章仁監督は「信じられないです。本当に、今でも勝った実感は湧かないですね。甲子園に育ててもらっているなと思います」と劇的な勝利を振り返った。

 決勝点は同点で迎えた八回だった。大阪桐蔭のこの回から登板した2番手川原嗣貴投手(2年)に対して、無死から敵失で出塁。このあと2者連続犠打失敗で2死となったが、連続四球で満塁とし、3番・山口蓮太朗内野手(3年)の右翼線二塁打で2点を奪った。

 山口は五回の好機に津田基内野手(2年)の代打として途中出場。起用に応える決勝打に多賀監督は「滋賀大会でもいいプレーをしてくれまして、あそこで思い切って2年生の3番の津田に代えて3年生に。あそこで代打を送れたことが八回に繋がったと思います」と振り返った。

 二回までに4点のリードを許す展開。「一回、二回が一番心配していた流れ。はちゃめちゃなゲームになっちゃうかなと」。反撃の最初の一手はスクイズだった。三回、西山嵐大外野手(3年)が決めてまず1点をかえした。その采配を「動揺していたところがあったのでとにかくまず1点を、と思ってスクイズ。よく決めてくれました」と明かした。

 四回は5番・新野翔大内野手(3年)の右越えソロで加点。五回は4番・山田陽翔投手(2年)の左犠飛で1点差。七回は新野が右前適時打を放ち、ついに同点としていた。

 先発・山田は三回以降立ち直り、6回4安打4失点、7奪三振の力投。七回からは背番号1をつけた岩佐直哉投手(3年)が1安打に押さえた。

 「山田がどこまで立ち直れるのかというのがありましたが、三回を0点で切って、四回、五回で岩佐にスイッチしようと思ったんですが、山田も『投げさせてくれ』と懇願してきた。しっかり投げ切れたということが結果的に勝ちに繋がったと思います」

 近江は8強入りした18年以来3年ぶりの3回戦進出。次戦は盛岡大付と対戦する。「大阪桐蔭を相手に素晴らしいゲームをして、大きな自信になったと思います。こんな勝利は後にも先にも初めて。勝ちに不思議の勝ちあり、という言葉をかみしめています」。強豪撃破の自信を胸に、進撃を続ける。

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