「東京五輪・野球・準々決勝、日本７－６アメリカ」（２日、横浜スタジアム）

　侍ジャパン・稲葉監督の我慢と粘りの継投が劇的勝利を呼び込んだ。先発・田中将、３番手・青柳で計６失点と劣勢を強いられる中で、光を放ったのは後を受けた救援陣の踏ん張りだ。

　１点ビハインドの六回から４番手・千賀が３者連続空振り三振の快投を見せるなど２回無失点。「とにかくやれることはチームのために思い切って腕を振ってゼロで帰ってくること」と開幕直後の大ケガから復活した男が流れを変えた。

　八回は「自分の仕事を全うするだけでした」と山崎が無失点。九回は先発陣の一角だった大野雄がマウンドに上がり「３試合目にして初登板。やっとチームの勝利に貢献できてうれしい」。米国打線を完璧に封じ土壇場の同点劇へとつなげた。

　そしてタイブレークの延長十回無死一、二塁で守護神・栗林が１点も許さず、直後のサヨナラ勝利を呼び込んだ。稲葉監督は「みんなそれぞれが、本当に頑張ってくれている」とブルペン陣の働きぶりに目を細めた。金メダルまであと２勝。頼れる男たちがフル回転で、侍を五輪の頂へ導く。