神戸国際大付・武本 病床の“相棒”に夏切符届けた「一緒に甲子園行くんじゃけえ!」

 優勝を決め喜び合う(右端から)武本、西川ら神戸国際大付ナイン
 3回、右越えに逆転3ランを放つ武本
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 「高校野球兵庫大会・決勝、神戸国際大付7-3関西学院」(29日、ほっともっとフィールド神戸)

 兵庫大会では決勝が行われ、神戸国際大付が春夏連続となる甲子園出場を決めた。1点ビハインドの三回2死二、三塁から7番・武本琉聖内野手(3年)が、6月初旬に脳出血で倒れ闘病中の岡木優之介外野手(2年)の思いを背に、今大会2発目となる逆転3ラン。仲間の回復を願うチームは一丸となって、聖地への切符をつかんだ。

 「届いてくれ」-。1点ビハインドの三回2死二、三塁。武本は白球に願いを込めて振り抜いた。高々と舞い上がった打球は右翼席に飛び込む逆転の3ラン。聖地の切符をたぐり寄せると共に、病床で戦う後輩に勇気を届けた。

 「岡木が倒れて、意識がないらしい」。武本の耳に嫌な知らせが届いたのは6月初旬だった。昨秋の兵庫大会にも下級生ながらベンチ入りしていた岡木が、朝礼中に脳出血で倒れた。そのまま入院し、意識を取り戻せるかどうか分からなかった。岡木と打撃練習のペアを組んでいた武本は“相棒”の悲報にショックを隠せなかった。

 「あんなに野球が好きなやつがやりたくてもできない。自分が甘えてられない」。無事に意識を取り戻し、リハビリに励む後輩に吉報を届けるためにも、武本はより一層練習に打ち込んだ。主将の西川侑志捕手(3年)も「あいつが頑張っているのに、自分たちが負けられない」とチームを鼓舞。“岡木のために”を合言葉に、聖地の切符をつかんだ。

 スタンドのナインは「一緒に甲子園行くんじゃけえ!」と広島県出身の岡木に向け、指導者からのエールが刻まれたうちわで応援した。チームの思いが凝縮した今夏、「甲子園の優勝メダルを持っていきたい」と誓った武本。日本一の称号を手に、かわいい後輩に会いに行く。

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