雲雀丘学園 亡き部長と戦った夏 エース中曽「ピッチングを一から教えてくれた」

 「高校野球兵庫大会・2回戦、滝川二7-0雲雀丘学園」(13日、明石トーカロ球場)

 雲雀丘学園は滝川二に、7回コールドで敗れた。

 5月に急逝した高橋正樹部長(46)と共に夏を戦った。

 先発したのは「(部長に)一番お世話になった」という中曽遼投手(3年)。この日は7回10安打7失点と悔しい投球にはなったが、1回戦の神戸甲北戦では2失点完投でチームを2回戦に導くなど、エースとして夏の2試合を投げ抜いた。

 昨年から投手をやり始めた中曽。「高橋先生がピッチングを一から教えてくれた」と、投手の心構えは高橋部長から教わった。「僕は一つの方向しか見えなくなるときがある。そういうときは周りを見て、仲間を信じればいいと教わった」。高橋部長の言葉が心の支えとなった。

 雲雀丘ベンチには、高橋部長のユニホームが掲げられていた。「自分にとっても生徒にとってもいい兄貴分でした」と烏山貞人監督(41)。「本当に前向きな方で、ネガティブな言葉を聞いたことがない」と、チームの精神面のサポートは高橋部長に任せていた。

 急な出来事にショックを隠せなかったナイン。指揮官は「僕たちがくよくよしていたら高橋先生に怒られるぞ。前向きに頑張ろう」と声をかけ、夏に気持ちを向けた。

 悲しみを乗り越えて1勝をつかみ、強豪相手にも最後まであきらめずに食らいついた。「選手たちはいろいろな想いを持って頑張ってくれた。高橋先生も納得していただける戦いができた」。雲雀丘ナインは夏を全力で戦い抜き、天国の高橋部長に胸を張った。

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