日本ハム 大島さん魂でサヨナラ勝利 高浜が決めた
「日本ハム4-3西武」(6日、旭川スタルヒン球場)
野球の神様でもここまでのストーリーを描けるだろうか。同点の九回2死一塁。日本ハム・高浜祐仁内野手の打球が霧雨を切り裂きながらグングン伸びていく。打球は中堅フェンスを直撃し、浅間が一気に生還した。
今季2度目のサヨナラ勝ち。この日、旭川のスタルヒン球場には半旗が掲げられた。前日5日に監督を務めた大島康徳氏が6月30日に死去していたことを発表。日本ハムの選手は喪章をつけ、試合前にはベンチに整列して黙とうをささげた。
先人に報いるためにも、栗山監督は「何とか喜んでもらえるように頑張らなきゃいけない」と決意を明かした。今の選手たちは大島氏を直接は知らない。だがグラウンドで懸命に戦う熱い魂は、間違いなく後輩たちにも受け継がれている。
ヒーローインタビューで高浜は「記録を止めてやると言う気持ちで打席に入った」と力を込めた。大島氏ががんと闘い天寿を全うしたように、最後まで勝利を信じて戦う姿勢を旭川の地で示した。
「勝ちを届けられて、すごくうれしい」と高浜は笑顔で振り返り、指揮官も「大島さんに対しての『良いチームをつくります』という思いがこういう形になってくれた」。プロ野球記録となる西武・平良の39試合連続無失点に終止符を打っての激勝。天国の大島氏もきっと、目を細めて選手たちをたたえているに違いない。