「ＤｅＮＡ３－２中日」（２９日、神宮球場）

　雨中の試合。ビハインドでの度重なる試合中断。だが、連勝中のＤｅＮＡの勢いが劣勢をはね返した。五回だ。無死一塁からこの日２度目の降雨中断。再開後、２死二塁の場面で代打に牧が送られた。

　「意地でもヒットを打ってやろうと打席に向かった。気持ちで打ちました」と中日先発・大野雄から右中間を破る同点の適時三塁打。さらに続く桑原が左前適時打を放ち、逆転に成功した。

　その後も２度の降雨中断を経て、六回裏途中コールドで今季初の４連勝。腰の張りによる欠場もあり、途中出場も増えた牧。それでも先輩・関根の助言で四回終了時から体を動かし、勝負の時に備えた。「悔しい気持ちもあったが、途中で出る人の気持ちも分かった。１本出て良かった」と笑みもこぼれた。

　東京五輪の影響で初の神宮での本拠地開催。異例の状況にも勢いは陰りを見せない。三浦監督も「良い流れで、雰囲気も良くなっている。これを明日につなげたい」と話す。粘り、勝負強さ－。ＤｅＮＡが本来の野球を見せ始めた。