今大会唯一の国立・和歌山大がサヨナラ勝ち “ノーサイン野球”でWスチール
「全日本大学野球選手権・1回戦、和歌山大5-4九産大」(8日、神宮球場)
1回戦4試合と2回戦2試合が行われた。今大会唯一の国立・和歌山大が、延長10回タイブレークでサヨナラ勝ち。驚異の“ノーサイン野球”で接戦をものにした。
相手の隙を突く強気なプレーで、勝利をたぐり寄せた。
今大会初のタイブレークに突入した延長十回。1死一、二塁から、ダブルスチールを仕掛けた。これがセーフとなり、四球を挟んで1死満塁から「4回生やみんなの思いを背負って打った」と四回にも左越えソロを放っていた柏田樹外野手(3年・和歌山商)が二塁強襲の2点適時打を放ち、劇的なサヨナラ勝ちを決めた。
和歌山大は15年から“ノーサイン野球”を試行しており、この日もベンチからサインが出ることは一度もなかった。そんな中で奇策を成功させたナインに、大原弘監督(56)も「選手たちの思うままに任せた。あれがうちの推奨しているノーサイン野球の真骨頂です」と笑みがこぼれた。
次の相手は名門・慶大だ。「『陸の王者』と対戦できる。こんなにうれしいことはない」と心待ちにした指揮官。“ノーサイン野球”で培ったチームワークと積極性を武器に、初出場した4年前の8強を超えるべく国立の星が躍動する。