「中日１－４ヤクルト」（１４日、バンテリンドーム）

　うずくまる姿に、球場は静まりかえった。ヤクルト・金久保が投手強襲の打球を右胸付近に受け、立ち上がることができない。高津監督も「骨は外れているんだけど」と心配そうに見つめる中、２回１／３で無念の負傷交代。それでもここから、中継ぎ陣が奮い立った。

　鋭い打球が襲ったのは三回だ。１死走者なしから大島に右前打を浴びると、続く京田の２球目だった。投手強襲の当たりが右胸付近を直撃し、内野安打に。ベンチに下がり、治療を行ったが、高津監督は交代を決断した。

　チーム一丸となった。金久保は７日の巨人戦で中継ぎも経験。その学びから「長いイニングを投げる責任感を持ちたい」と意気込んでいた。思いは不運な形で結実しなかったが、後を受けた中継ぎ陣が６人の継投でリードを守り切った。

　みんなでつかんだ勝利に、高津監督も「みんなでつないだ。リリーフはよく頑張った」と安堵（あんど）の表情。金久保は今後病院に行く予定だが、試合を最後まで見守り、バスへと乗り込んだ。軽傷を祈るばかりだ。