“元虎戦士”ロッテ・小林宏之アカデミーコーチ「多くの子に野球の楽しさを」

 スクール生に指導するロッテ・ベースボールアカデミー小林宏之コーチ(球団提供)
 阪神時代の小林宏之氏=2011年7月
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 現役時代に注目を集め、今もチームを支える元選手を紹介する「裏方はスゴ腕」。第7回はロッテのマリーンズ・ベースボール・アカデミー(MBA)の小林宏之コーチ(42)。ロッテでは05年にローテの一角として日本一に貢献し、11年から2年間は阪神でプレーした。現在は千葉県内で小学生を指導し、未来のプロ野球選手育成に尽力している。

  ◇  ◇

 現役時代に愛称「コバヒロ」で親しまれた小林さんは今、野球の底辺拡大に尽力している。17年11月からMBAコーチに就任し、月~金まで小学生を指導。楽しさを実感してもらえるように、レッスン前は入念なミーティングを行った上で練習メニューを作成する。

 「言葉でニュアンスを伝えるのは大変。どうやってかみ砕いて分かりやすく伝えたらいいか。そこが一番、難しいですね」。指導者4年目となっても模索を続けている。

 現役時代はロッテ、阪神、西武でプレー。独立リーグも経験した。全てが財産だ。ロッテ時代は05年の日本一が「一番の思い出」という。ただ、選手人生は順風満帆ではなかった。10年オフにFA権を行使。夢だったメジャー挑戦はかなわず阪神へ移籍。新天地で過ごした11年からの2年間は苦労が多かった。

 「ふがいない投球しかできなかった。心と体が一致しないシーズンが続いた感じで。よくなりたいと思い、いろんな練習をしたけど何もはまらなかった」

 当時はファンの厳しい言葉も漏れ伝わってきた。「きついことを言われたのも、野球人生で初めてでした」と苦笑いで振り返るが、試行錯誤した経験は、指導者として過ごす今につながっている。

 阪神投手陣には感謝が尽きないという。ブルペンでは藤川球児、久保田智之らと議論。「球児は『ヒロさん、こんなふうに投げてました』とか、よく見てくれていました。相談したり、アドバイスをしてもらったり」と懐かしそうに振り返る。

 14年に西武で引退するまで、18年間の現役生活はかけがえのない経験をした。だからこそ、多くの子に野球の楽しさを知ってもらいたいという。「いい思いをさせてもらった恩返しがしたい」。遠投で遠くへ投げられるようになった子は褒めまくる。「成功体験を作ってあげたい。楽しさを覚えたら、長く続けられるのではないかなと」。優しいまなざしで、次世代を担う選手育成に取り組んでいる。

 ◆小林 宏之(こばやし・ひろゆき)1978年6月4日生まれ、42歳。埼玉県出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。春日部共栄高から96年度ドラフト4位でロッテ入団。03年に初の2桁勝利を挙げ、05年から3年連続2桁勝利。11年阪神にFA移籍。12年に戦力外通告を受ける。13年から独立リーグなどでプレー。14年に西武へ移籍しNPB復帰。この年のシーズンで現役引退。NPB通算は385試合で75勝74敗29セーブ、31ホールドで防御率3・57。

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